1990 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚の分化機構の解析と胚割球のクロ-ニングによる家畜生産の基礎的研究
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01480095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入谷 明 京都大学, 農学部, 教授 (80026385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 美彦 京都大学, 農学部, 助手 (70192739)
内海 恭三 京都大学, 農学部, 助教授 (90033266)
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Keywords | 牛卵母細胞 / 胚割球 / 体外受精 / 再構成胚 / 電気融合 / 核移植 / マウス前核期胚 / 8細胞期胚 |
Research Abstract |
牛卵巣卵母細胞を体外成熟・体外受精したものを48時間体外培養して得られた8〜16細胞期胚と、または過剰排卵・人工授精から8日後に子宮から回収した16細胞期胚とから単離した胚割球を除核した体外成熟卵母細胞と電気融合させて再構成胚を作出した。この再構成胚の発生能が卵母細胞の成熟度や活性化の程度、供与核の由来、及び体内や体外の培養条件との関係から、比較された。成熟培養24時間と28時間の卵母細胞を除核した場合の再構成胚の発生能は28時間の方が良好で、矩形波による供与核割球との電気融合は直流10〜20V、50〜150μ秒の通電処置が融合率(80%)、分割率(40%)共に良い結果を得た。体外受精発生由来核と体内発生由来供与核を比較した結果、受精率と初期分割率には差は見られなかった。なお除核卵母細胞の細胞質の活性化は融合のための電気刺激がそのまま活性化刺激を伴うので、特別の処置は不必要なことが示された。融合後の再構成胚の発生能を家兎卵管か、または顆粒膜細胞や卵管上皮細胞との共培養系で調べた。何れの発生系においても8細胞期胚への発生率(30%)や胚盤胞期胚への発生率(5〜10%)には差は認められなかったが、立体感などの形態や細胞数については卵管培養胚の方が優れていた。卵管培養胚6例、体外培養胚4例の胚盤胞を受胚牛に移植したが、いずれも妊娠に至らなかった。マウス前核期卵子から得られた雄性前核と、未受精卵母細胞を単為発生的に活性化して得られ、雄性前核を除核した卵母細胞との融合によって作出された再構成胚の発生能を調べて、初期発生過程における雄性ゲノムの発現とその機能を解析しようとした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Minami: "Oviduct palys an important role in the development of mouse embryos at a certain critical age in vitro" Mol.Reprod.& Dev.28. (1991)
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[Publications] K.Utsumi: "Full term development of bovine embryos in vitro matured and in vitro fertilized" Theriogenology. 35. (1991)
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[Publications] T.Mitani: "核移植における電気融合条件が体外成熟・体外受精由来ウシ8細胞期胚単一割球と除核未受精卵との融合胚の発生能に及ぼす影響" 伊藤財団研究助成報告書. 9. (1991)
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[Publications] A.Iritani: "Micromanipulation of gamates for in vitro assisted fertilization" Mol.Reprod.& Dev.28. 199-207 (1991)
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[Publications] T.Mitani: "体外成熟・体外受精由来ウシ8細胞期胚単一割球と除核未受精卵との融合融合胚の発生能にかんする研究" 伊藤財団研究助成報告書. 8. 7-12 (1990)