1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480104
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金城 俊夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助手 (80196774)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
平井 克哉 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021702)
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Keywords | 人畜共通伝染病 / 野性動物 / ドブネズミと疾病 / 抗体調査 |
Research Abstract |
市街地で捕獲したドブネズミ368匹(N市283匹、I市85匹)及びフイリピンより輸入されたカニクイザル147頭を対象に、各種人畜共通伝染病の抗体分布を調べ、一部については病原体の検索も試みた。 1.レプトスピラ病:代表的な5種の血清型の抗原を用いたラテックス凝集反応で、サルでは2.0%、ネズミでは8.1%の陽性例が確認された。141匹のネズミの腎臓から病原体の分離は全例陰性であった。 2.カンピロハバクタ-感染症:C.jejuni抽出抗原によるCF反応で、ネズミの陽性率は15.8%であったが、うちN市のそれが12.1%に対しI市は28.6%で、抗体分布に地域差がみられた。糞便の19.5%(49/251)から本菌が分離され、うち65%はC.jejuniであった。 3.オウム病:市販のCF抗原により、サルでは9.0%、ネズミでは12.9%が抗体陽性であった。ネズミの陽性率には地域差がみられた。 4.トキソプラズマ症:市販抗原によるラテックス凝集反応で、抗体陽性例がサルで2.7%、ネズミで8.2%検出された。 5.ロタウイルス感染症:自家製の抗原を用い、IAHA反応によりサルでは65.1%、ネズミでは3.8%の陽性個体が確認された。105匹のネズミ糞便からウイルス分離を試みたが、全例陰性であった。 6.SV40感染症:サルについてのみIAHA抗体を調べたが全例陰性で、国内産サル294頭の陽性率89.1%と際立った差がみられた。 7.エルシニア感染症:ネズミ251匹の糞便の8.6%からY.entero-colitica、Y.pseudotuberulosis等病原性菌種が分離された。 8.広東住血線虫症:157匹のネズミの肺を精査し、4匹、2.5%から線虫を確認した。陽性例はN市内の1地区に集中していた。 このようにヒトの生活環境に生息するドブネズミや輸入野性動物の間に各種人畜共通伝染病が低率ながら侵淫していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 金城俊夫: "ツキノワグマ糞便からの薬剤耐性大腸菌の検索" Vulpes(九州野性動物研究会報). 9. 25-28 (1989)
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[Publications] 金城俊夫: "サルにおける数種の疾病に対する抗体調査" (京都大学)霊長類研究所年報. 19. 74-75 (1989)
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[Publications] 坂井智恵: "各種動物におけるカンピロバクタ-に対する抗体の分布" 岐阜大学農学部研究報告. 54. 225-231 (1989)
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[Publications] 吉川康弘: "Natural infection with canine distemper virus in a Japanese monkey(Macaca fuscata)" Veterinary Microbiology. 20. 193-205 (1989)