1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480104
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金城 俊夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助手 (80196774)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
平井 克哉 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021702)
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Keywords | 人畜共通伝染病 / 野生動物と疾病 / 抗体の分布調査 |
Research Abstract |
ドバト、ニホンカモシカ等の野生動物やその他の動物について、人畜共通伝染病の抗体調査を行い、また一部は病原体の検索も実施した。 1.ニホンカモシカ血清237例について、1984年に流行した丘疹性口炎から分離したパラポックスウイルスに対する抗体調査の結果、31.6%が陽性で、高率に蔓延していることが示唆された。しかし、日本脳炎ウイルスおよびブルセラに対する抗体は検出できなかった。 2.ドバトから初めてロタウイルスを分離し、本ウイルスに対する抗体調査を346例について行った結果、32.4%が陽性であった。 3.サル256例におけるカンピロバクタ-抗体陽性例は35.4%で、菌検出例も12.0%あり、その60%がC.jejuniであった。エルシニアに対する抗体陽性例は8.9%、菌検出例は6.4%であったが、病原性のあるY.enterocoliticaは1.0%、Y.pseudotuberculosisは0.4%と低率であった。トキソプラズマ抗体は4.1%に確認された。 4.その他、オウム病クラミジアに対してネコが2.1%、ニワトリが28.0%、ロタウイルスに対してイヌが22.3%、ヒトが35.9%、カンピロバクタ-に対してウシが19.0%、ニワトリが5.0%、ブタが0%、ヒトが18.4%、トキソプラズマに対してジヤコウネズミが52.2%と、それぞれ抗体陽性個体が確認された。 5.今年度、特にQ熱がわが国に存在することを血清学的に初めて明らかにした。Q熱リケッチアのI相およびII相を抗原としてIFA法で抗体調査を行った結果、それぞれの抗原に対する陽性率は、ウシ40.2、46.6%;ヒツジ17.6、28.1%;ヤギ11.8、23.5%;イヌ7.1、12.6%;ヒト4.3、10.0%で、ブタおよびネコでは陽性個体はなかった。これらの成績は、Q熱のリケッチアが野生動物にも存在する可能性を示唆しており、今後この面の調査研究をさらに続ける必要がある。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Kobayashi,Shinichi: "Prevalence of Chlamydia pneumoniae in Japan" Journal of Infectious Diseases. 163. 417-418 (1991)
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[Publications] Matsuno,Hiroshi: "Antigenic analysis of feline and bovine Chlamydia psittaci with monoclonal antibodies" Journal of Veterinary Medical Science. 53. 173-179 (1991)
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[Publications] Kikuta,Atsushi: "Antigenic analysis of avian Chlamydia psittaci using monoclonal antibodies to the major outer membrane protein" Journal of Veterinary Medical Science. 53. 385-389 (1991)
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[Publications] Asai,Tetsuo: "Prevalence of antibodies to five zoonosis agents in monkeys" Journal of Veterinary Medical Science. 53. 553-559 (1991)
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[Publications] 平井 克哉: "野生動物科学の振興における獣医学の役割" 岐阜県獣医師会報. 28. 6-8 (1991)
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[Publications] Nabeya,Masahiro: "Abortion in Japanese cows caused by Chlamydia psittaci" Veterinary Microbiology. 29. 261-265 (1991)
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[Publications] Minamoto,Nobuyuki: "Characterization of an avian rotavirus strain by neutralization and molecular hybridization assays" Research in Virology. 142. 271-275 (1991)
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[Publications] Kinjo,Toshio: "Antimicrobial resistant Escherichia coli in wild and captive Japanese serows" Journal of Veterinary Medical Science. 54. (1992)
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[Publications] 川田 洋充: "サンドイッチELISAによる糞便中のロタウイルスの検出および分離ウイルスの性状" 岐阜大学農学部研究報告. (57). (1992)