1989 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ結合構造の極低温電顕並びに電顕細胞化学的研究
Project/Area Number |
01480107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 和朗 京都大学, 医学部, 教授 (20077556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 眞弘 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
藤本 豊士 京都大学, 医学部, 助教授 (50115929)
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Keywords | ギャップ結合 / 極低温電顕 / 電顕細胞化学 / 荷電 / プロテインキナ-ゼC |
Research Abstract |
平成元年度において、凍結超薄切片を用いた電顕細胞化学的研究より、以下の知見が得られた。 組織細胞によるギャップ結合の細胞化学的特性の相違について: 我々は、心筋細胞のギャップ結合(GJ)の細胞質側は強く負に荷電していることを細胞化学的に証明した(Fujimoto et al.,1985)。しかし、網膜色素上皮細胞間のGJではcationized ferrtinの結合が認められなかった(Kitaoka et al.,in press)。心筋細胞と色素上皮細胞のGJにおける荷電状態の相違が生理機能的あるいは分子構造に起因するのかどうかについては明らかではないが、次年度においては、種々の細胞のGJの荷電状態を検討する。 ギャップ結合におけるプロテインキナ-ゼCの局在について: プロテインキナ-ゼC(PKC)がGJの細胞間連絡機構に関与することが推察されている。本研究では、家兎肝ならびに心筋細胞におけるPKCの細胞内局在とホルボ-ルエステル処理による動態変化を、免疫細胞化学的に検索した。免疫標識は、心筋細胞のクロマチンを含む核基質、筋形質(I帯付近)、筋小胞体、デスモゾ-ム、GJに認められた。肝細胞において、核基質、細胞質(グリコゲン野)、滑面小胞体、ディッセ腔側の微絨毛に標識は認められたが、GJは標識されなかった。新鮮肝未凍結切片(100μm厚)を100nM TPAに20分間浸漬した場合、GJならびに毛細胆管の閉鎖結合に標識が認められた。 以上の所見は、1)PKCは心筋細胞GJに生理的条件下で存在する、2)細胞間連絡を阻害するTPAはPKCのGJへの誘導を引き起こす、3)PKCはGJのみならずその他の細胞間結合装置の機能にも関与する可能性を示唆する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤本和,酒井眞弘,小川和朗: "ギャップ結合の細胞化学" 生体の科学. 40. 645-649 (1989)
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[Publications] Kitaoka,T.,Fujimoto,K.and Ogawa,K: "Distribution of anionic sites in rod photoreceptor cells and pigment epithelial cells revealed by labeling frozen thin sections with cationized ferritin" Biomedical Research. 10. (1989)