1990 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ結合構造の極低温電顕ならびに電顕細胞化学的研究
Project/Area Number |
01480107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 和朗 京都大学, 医学部, 教授 (20077556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 眞弘 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
藤本 豊士 京都大学, 医学部, 助教授 (50115929)
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Keywords | ギャップ結合 / 電顕細胞化学 / コネキシン32 / 肝細胞 / 生後変化 / 凍結割断レプリカ |
Research Abstract |
平成二年度において、肝細胞のギャップ結合(GJ)の生後変化を、抗ギャップ結合蛋白コネクシン32(CXN32)抗体によっる免疫蛍光抗体法、免疫電顕法ならびに陳結割断レプリカを用いた形態計測による解析を行なった。 [材料と方法]出生後12時間以内を0日として、種々の日令のラット肝を0.5%フォルムアルデヒド(免疫電顕用)あるいは2%グルタルアルデヒド(凍結割断レプリカ用)で1時間浸漬固定した。免疫電顕用試料は、洗浄後、凍結超薄切片を作製し、抗CXN32モノクロ-ナル抗体と金コロイド標識二次抗体を用いて免疫染色を行なった。蛍光抗体染色には、未固定クリオスタット切片を用いた。凍結割断用試料はグリセリンに浸漬後、常法に従ってレプリカを作製した。[結果と考察]<免疫蛍光抗体法>___ー出生直後、肝細胞間に弱い点状の免疫蛍光が認められた。生後3〜6日、細胞間に強い免疫蛍光が観察された。生後10日、成獣と同様に、肝細胞膜全周に点状の蛍光が観察されるようになるが、生後20日頃までは、肝小葉中間帯の肝細胞の免疫反応は弱い。生後40日頃、すべての肝細胞に均一に免疫反応が認められた。<免疫電顕>___ー成獣肝細胞では、GJと細胞内のannular GJに免疫標識が認められた。3〜6日令では、GJのみならず細胞内小胞と接着結合の一部に免疫標識を認めた。<形態計測>___ー形質膜に対するGJの面積比は、成獣(40日令)では3.5%に対して、6日令では6%であった。個々のGJの面積による出現頻度は、3日令では0.1〜0.5μm^2、6日令でま0.5〜1.0μm^2の大きさのGJの数が他の日令に比べて有意に多く、その大半は密着結合に付随していた。以上の所見は、肝細胞GJは出生後3〜6日頃、活発に合成、小胞を介して細胞内輸送され、形質膜に組み込まれると考えられる。また、この時期におけるGJの形成に、接着結合などGJ以外の細胞間結合装置が関与している可能性が強く示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kitaoka,T: "Cytochemical demonstration of anionic sites in rod photoreceptor cells and pigment epithelium of rat retinas." J.Histochem.Cytochem.38. 1032 (1990)
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[Publications] Tanaka,T: "Morphomtric analysis of gap junctions in the rat lens during cataract formation." Acta histochem.cytochem.23. 781-792 (1990)
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[Publications] Tanaka,T: "Cytochemical localization of acid phosphatase activity in normal and cataractous rat lenses." Acta histochem.cytochem.23. 793-804 (1990)
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[Publications] 藤本 和: "肝細胞ギャップ結合の生後発達について" 1990年度生理学研究所研究会ギャップ結合研究会(3). 4 (1991)