1989 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-顕微鏡による染色体および精子の形態学的研究
Project/Area Number |
01480108
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
飯野 晃啓 鳥取大学, 医学部, 教授 (50031969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲賀 すみれ 鳥取大学, 医学部, 助手 (60116358)
名黒 知徳 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50032230)
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Keywords | レ-ザ-顕微鏡 / 共焦点光学系 / 染色体 / 精子 |
Research Abstract |
レ-ザ-顕微鏡は本来半導体ウエハ-の品質検査のために開発されたものであるが、一般の光学顕微鏡にない特長を備えているため、我々はこれを医学生物学方面に応用することを考えた。レ-ザ-顕微鏡は(1)共焦点光学系を採用しておりレ-ザ-光で単一の点光源を利用するので理論的にも通常の光学顕微鏡より分解能がよい(2)不要散乱光が少ないのでフレア-のない鮮明な像が得られる(3)焦点深度が通常の光学顕微鏡より深い(4)試料の雰囲気を真空にする必要がなく、熱線も含まないので生きた材料を長時間観察できる(5)生物試料を無固定、無着色で観察でき、精子や微生物などの動きのあるものも容易にビデオテ-プにおさめることができるなどの特長を有している。我々は細胞分裂中のテッポウユリ花粉母細胞の集塊をレ-ザ-顕微鏡で観察し染色体の状態により種々の分裂ステ-ジのある美しい像をとらえることに成功した。フレア-のない像は通常の光学顕微鏡でとらえたものと比較してもはるかに鮮明である。末梢血培養法で得たヒト中期染色体の観察では46本の染色体が立体的に映し出されており、染色体同士が重なっている部分では2本の染色体の上下関係が同定できた。これは通常の透過光による顕微鏡では困難である。また運動中のヒト精子の写真撮影、ビデオテ-プへの記録も行った。採取した精液は培養液で数回洗浄し、精〓を除去したあと、培養液中にしばらく放置、運動能の旺盛な精子を集めて観察した。強拡大の精子では中間部のミトコンドリアのらせん構造もとらえることに成功した。これらの結果は3編の論文にまとめて発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 飯野晃啓,稲賀すみれ: "カラ-レ-ザ-顕微鏡による生物試料の観察" 組織培養. 15. 25-29 (1989)
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[Publications] A.Iino,S.Inaga,Y.Mio: "Application of Color Laser Microscope for Observing Living Biological Specimens" Cytobios. 60. 7-10 (1989)
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[Publications] A.Iino.T.Naguro,S.Inaga: "Cells and Tissues:A Three-Dimensional Approach by Modern Techniques in Microscopy" Alan R.Liss,Inc., 650 (1989)