1991 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-顕微鏡による染色体および精子の形態学的研究
Project/Area Number |
01480108
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
飯野 晃啓 鳥取大学, 医学部, 教授 (50031969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 賢治 鳥取大学, 医学部, 助手 (90091579)
稲賀 すみれ 鳥取大学, 医学部, 助手 (60116358)
名黒 知徳 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50032230)
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Keywords | 共焦点レ-ザ-顕微鏡 / 染色体 / 精子 / 血尿 / 細胞診 |
Research Abstract |
レ-ザ-顕微鏡はその優れた特性により次第に応用分野が広がり、現在我々が行っている生物分野での応用も、国内外で最近急速に盛んになってきた。我々はヒト、植物、双翅類の分裂細胞染色体やヒトの精子、赤血球、上皮細胞、癌細胞などを本研究費で購入した共焦点リアルタイムレ-ザ-顕微鏡およびカラ-レ-ザ-顕微鏡(レ-ザ-テック社で借用)で形態学的に観察した。その結果、観察対象によって無固定無染色で観察可能なもの(ヒトの染色体、精子、赤血球、上皮細胞、癌細胞など)と、固定染色を施した方が観察し易いもの(植物、双翅類の分裂細胞染色体など)とがあることが分かった。特に我々の保有しているリアルタイムレ-ザ-顕微鏡は、無固定無染色の試料の観察に威力を発揮することが分かった。なかでも、泌尿器科学的疾患である血尿の鑑別診断において、リアルタイムレ-ザ-顕微鏡による赤血球の形態観察法は、従来の位相差顕微鏡を用いる方法よりはるかに容易で確実であり、医療部門での画期的な手段として国内外で反響を呼んだ(1992年2月朝日新聞掲載)。この成果は日本泌尿器科学会(1991年5月)、日本腎臓学会(1991年11月)、レ-ザ-顕微鏡研究会(1991年11月)、国際フォ-ラム(1992年1月)および外国雑誌(Nephron59巻、1991年)に発表した。さらに、ヒト精子の中筋部ミトコンドリアや先体(acrosome)の形態異常を生きたままの状態でとらえられることが分かり、男性不妊症診断における指標の一つである精子受精能判定に有効な手段になる得ると考えられた。この結果については、米国泌尿器科学会(1992年5月)および米国不妊学会(1992年10月)に発表の予定である。また、尿中あるいは胸水中に剥離した上皮系細胞(癌細胞を含む)の細胞質や核の形態も、無固定無染色でとらえられることが分かり、細胞診への応用を試みた。この結果については更に詳しく検討し、来年度発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Hyodo,K.Koumi,N.Sofikitis,N.Watanabe,I.miyagawa,T.Kameie,S.Inaga,A.Iino,K.Ono: "Application of the Confocal Scanning Laser Microscope for Observing Biological Specimens:Detection of Glomerular Bleeding" Nephron. 59. 685-686 (1991)
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[Publications] 兵藤 透,花本 宣昭,N.Sofikitis,宮川 征男,亀家 俊夫,稲賀 すみれ,飯野 晃啓,大出 孝博: "レ-ザ-顕微鏡による血尿の鑑別" レ-ザ-顕微鏡研究会第8回講演会論文集. 6-12 (1991)