1990 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球老化によるレオロジ-障害の機構ー赤血球寿命の決定メカニズムに関してー
Project/Area Number |
01480115
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志賀 健 大阪大学, 医学部, 教授 (10028350)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 学 大阪大学, 医学部, 助手 (30182950)
前田 信治 愛媛大学, 医学部, 教授 (50036464)
今井 清博 大阪大学, 医学部, 助教授 (50028528)
|
Keywords | 赤血球 / 寿命 / 老化 / 2,3ーDPG / ATP / エネルギ-代謝 / 変形能 / レオロジ- |
Research Abstract |
循環血液中の正常赤血球の寿命はもっぱら脾臓でのフィルタ-通過の難易に関係しており、これには個々の赤血球の変形能が重要因子となっている。老化により低下する変形能の要因として、エネルギ-代謝活性の低下、ヘモグロビンの状態変化と赤血球内部粘度上昇を取り上げ、どの要因のどの程度の変化が変形能を支配しているのか、相互関係を調べ定量的な解析を行った。 本年度は最終年度であり、成果をまとめる方向で研究を行い、次の結果を得た。これらの成果を学術論文として刊行した。 A:赤血球内のヘモグロビン濃度上昇に伴う変形能の低下:赤血球老化に伴う変動ずり応力変形の周波数応答の低下を検出した。老化による脂質脱失のための表面積減少は変形能低下の主因ではなく、老化に伴う赤血球内ヘモグロビン濃度上昇がより重要である。 B:赤血球内の有機リン酸濃度低下に伴う変形能の低下:老化赤血球でのATP減少による形態変化や変形能低下はある限界内では検出できない。赤血球老化によるATP減少やエネルギ-荷電低下は変形能を左右するほどではない。ATP減少と並行して赤血球内Caイオン濃度の上昇は既報の通り変形能を低下させるが、同時に起こるヘモグロビン濃縮の影響がより大である。2.3ーーDPGについても同様である。
|
-
[Publications] Nakajima,T.,& Shiga,T.: "Deformation response of red cells in oscillatory shear flow.." Am.J.Physiol.259. H1071-H1078 (1990)
-
[Publications] Suzuki,Y.,& Maeda,N.: "Influence of 2,3ーdiphosphoglycerate on the deformability of human erythrocytes." Biochim.Biophys.Acta. 1029. 85-90 (1990)
-
[Publications] Shiga,T.,& Kon,K.: "Erythrocyte rheology." Crit.Rev.Oncol.Hematol.10. 9-48 (1990)
-
[Publications] Suzuki,Y.,& Maeda,N.: "Erythrocyte deformability and intracellular organic phosphates." Jpn.J.Physiol.40(Suppl). S69 (1990)
-
[Publications] Maeda,N.,& Shiga,T.: "Effect of 2,3ーdiphosphoglycerate on deformability of human erythrocytes." 10th International Biophysics Congress,Vancouver,July 29ーAugust 3 (1990),Abstruct,. 347 (1990)
-
[Publications] Maeda,N.,& Shiga,T.: "Accelerated aggregation of in vivo aged human erythrocytes." 1 st World Congr.Biomechanics,Abstructs,. 1. 72 (1990)