1989 Fiscal Year Annual Research Report
侵害受容1次ニュ-ロン(ポリモ-ダル受容器)の特性に関する生理学・形態学的研究
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01480122
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊澤 孝朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20022775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩月 宏泰 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50184891)
小崎 康子 名古屋大学, 環境医学研究所, 教務職員 (20126882)
横田 邦男 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (60023652)
平野 泰路郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (10208837)
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00109349)
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Keywords | 痛み / 侵害受容器 / 炎症 / 脊髄内終未 / 神経性炎症 / 神経ペプチド / 炎症メディエ-タ- |
Research Abstract |
炎症時に於けるポリモ-ダル受容器の受容機構の変容を明らかにする為、イヌ睾丸-上精巣神経標本を用いてin vitroで単一または複数神経放電を指標にして、温度反応に対するProstaglandins,histamin,5-HT,BKの増強効果を定量的に調べ、かなりの高濃度を用いても熱による感作効果と比べ弱い増強効果した生じないことが明らかとなった。これらのchemical mediatorを同時に投与することによって、熱による感作に匹敵する効果が得られるかどうかについては次年度に引き続いて検討する。BK同族体のantagonistを用いて、ポリモ-ダル受容器のBK反応に関与する受容体はB2タイプであることを明らかにした。親和性の高いantagonistは種々の炎症のどの段階でBKが痛みに関与しているかを調べる上で、有効な道具となることが示唆された。carageenin等で実験的に炎症をつくり、受容器活動を調べる点は次年度に行う。 単一放電活動記録により同定した末梢受容組織の電顕的形態は概ね明らかにすることができた。現在終末に含まれる神経ペプチドを検出するべく、免疫電顕の方法を改良中である。 子イヌのL1脊髄神経節で、細胞内記録により睾丸ポリモ-ダル受容器と同定した細胞にPHALを電気泳動的に注入し、脊髄内線維の終枝を2例で染め出すことができた。1例では3次元的再構成を行い、頭尾方向に3分節にもわたって15以上の分枝をだし、主として第1層に終末をつくることが明らかにされた。A-S線維受容器とC線維受容器とでは異なった終枝パタ-ンを取るか次年度に検討したい。 ウサギ前眼房定流灌流標本を用いて、神経性炎症のモデルとして眼圧を指標にその解析をおこなった。炎症メディエ-タ-のBKによる眼圧上昇に、神経活動が関与していることが明らかになったが、その物質はサブスタンスPではない可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kumazawa: "Facilitatory effects of opioids on the discharges of visceral nociceptors." Brain Research. 497. 231-238 (1989)
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[Publications] J.Sato: "Effects of ionic calcium on the responses of canine testicular polymodal receptors to algesic substances." Journal of Neurophysiology. 62. 119-125 (1989)
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[Publications] K.Mizumura: "Reversible suppressive effects of amfenac sodium on the response to bradykinin of the visceral polymodal receptor." Environmental Medicine. 33. 43-46 (1989)
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[Publications] Y.Tsujii: "The mediation of testicular polymodal receptor bradykinin response by type B_2 bradykinin receptors." Environmental Medicine. 33. 51-54 (1989)
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[Publications] K.Mizumura: "The effects of bradykinin agonists and antagonists on visceral polymodal receptor activities." Pain. 40. 221-227 (1990)
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[Publications] K.Yokoyama: "Implication of polymodal receptor activities in the intraocular pressure increase resulted from neurogenic inflammation." Japanese Journal of Ophthalmology. 34. (1990)