1989 Fiscal Year Annual Research Report
刺激ー分泌連関:とくに細胞内カルシウムの作用と未知調節因子の探求
Project/Area Number |
01480140
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 泰子 徳島大学, 医学部, 助手 (40035431)
森田 恭二 徳島大学, 医学部, 助教授 (50108883)
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Keywords | 刺激ー分泌連関 / 開口分泌 / カルシウム / 細胞内調節因子 / バリウム / ミオシン軽鎖リン酸化酵素 / プロテインキナ-ゼC |
Research Abstract |
ホルモンの分泌や神経伝達物質の放出に必須なCa^<2+>の細胞内での作用機序とその調節因子について精査し、いわゆる開口分泌のしくみを明らかにしようとするものである。研究には、主として神経細胞のモデルという意図も含めて、モルモット、ウシなどの副腎クロマフイン細胞を用いた。その結果、 1)細胞膜受容体刺激によるCa^<2+>の動員機構として、Ca^<2+>の細胞外からの細胞内への流入と、細胞内Ca^<2+>プ-ルからの放出の二通りがあり、前者は主としてニコチニック受容体を介したものであり、後者は主としてムスカリニック受容体をはじめ、ノンコリナ-ジック受容体を介した反応であることがわかった。またVIPなど必ずしも細胞内Ca^<2+>の増加を伴わない分泌機構のあることも示唆できた。 2)ミオシン軽鎖リン酸化酵素の阻害薬であるMLー9が、細胞膜刺激によるCa^<2+>の細胞内への流入を抑制し、カテコ-ルアミン分泌を抑制することから、このリン酸化酵素が膜でのCa^<2+>の流入に関係し、間接的に分泌機構を調節していることがわかった。またアクトミオシン系がカテコ-ルアミンの生合成とくにチロシン水酸化酵素の活性調節にもかゝわり合いをもっていることも明らかにすることができた。 3)Ca^<2+>の代わりにBa^<2+>を用いた分泌機構の検索から、低濃度Ba^<2+>によるカテコ-ルアミン分泌は、ポリミキシンB、スタウロスポリン、フラボノイドなどプロテインキナ-ゼCの阻害作用をもつ薬物により阻害され、またホルボ-ルエステルなどの長期投与によりプロテインキナ-ゼCのdown-regulationを起こさせた細胞でも、Ba^<2+>によるカテコ-ルアミン分泌が抑制されることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Nakanishi,Atsushi: "Myosin light-chain kinase inhibitor,ML-9,inhibits catecholamine secretion from adrenal chromaffin cells by inhibiting Ca^<2+> uptake into the cells." Biochem.Pharmacol.38. 2615-2619 (1989)
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[Publications] Morita,Kyoji: "Effects of cytoskeleton-disrupting agents on tyrosine transport into cultured bovine adrenal chromaffin cells." Biochem.Inter.18. 991-998 (1989)
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[Publications] Morita,Kyoji: "Inhibitory action of carvedilol,a novel,α,β-adrenoceptor antagonist,on catecholamine secretion and calcium influx in cultured bovine adrenal chromaffin cells." Biochem.Pharmacol.38. 4461-4465 (1989)
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[Publications] Morita,Kyoji: "In vitro activation of bovine adrenal tyrosine hydroxylase by rabbit skeletal muscle actin." Biochem.Biophys.Acta.993. 21-26 (1989)
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[Publications] Yoshikawa,Manabu: "Lacalization and release of immunoreactive vasoactivse intestinal polypeptide in bovine adrenal medulla." Neurosci.Lett.(1990)
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[Publications] Morita,Kyoji: "Effects of bioflavonoids on exocytotic release of catecholamines from digitonin permeabilized chromaffin cells." Neurochem.Inter.(1990)
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[Publications] 岡源郎: "毒性試験講座(7) 機能毒性(福原忠彦・小野宏編) 脳内アミンの取り結みと結合" 地人書店, 8 (1989)
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[Publications] 吉栖正典: "Ca拮抗薬の薬理学 細胞内Ca動態とCa拮抗薬:神経細胞" 日本臨床, 5 (1989)