1990 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌス毒素によりADPリボシル化される新しいGTP結合蛋白質,Gbの研究
Project/Area Number |
01480147
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
成宮 周 京都大学, 医学部, 助教授 (70144350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 成人 京都大学, 医学部, 助手 (80220036)
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Keywords | GTP結合蛋白質 / ボツリヌスC_3酵素 / ADPリボシル化 / rho遺伝子産物 / Gb / GTPase活性化蛋白質(GAP) / 情報伝達 |
Research Abstract |
Gbは我々がウシ副腎細胞上清より精製した低分子量GTP結合蛋白質でボツリヌス菌由来のADPリボシル化酵素により特異的にADPシボシル化受けるものである。これまでの研究によりこの蛋白がrasがん遺伝子の類似遺伝子であるrho遺伝子の産物であることが明らかになっている。本年度は、この蛋白の細胞内機能、この蛋白を介する情報伝達に関する蛋白、及び、これを修飾するADPリボシル化酵素について以下の研究を行った。 1.ボツリヌスADPリボシル化酵素の同定と同遺伝子のクロ-ニング ボツリヌス菌抽出液よりADPリボシル化酵素を精製し、これが分子量25Kより成るC_3酵素に由来することを明らかにした。また、精製蛋白の部分アミノ酸配列を決定し、これをもとに同酵素遺伝子のクロ-ニングを行い、一次構造を決定した。また、この遺伝子を組込んだプラスミドを大腸菌に感染させることにより、本酵素の大腸菌での産生を可能にした。産生蛋白は、菌体外へ遊離、放出される。 2.Gbの細胞内機能の解析とこれに対するGTPase活性化蛋白の精製 1で精製したC_3酵素を種々の培養細胞に添加することにより細胞内でGbのADPリボシル化を生ぜしめた。これにより、GbのADPリボシル化が神経由来の細胞では神経分化様の変化を、また、非神経細胞では胞体の円形化等を惹起することを見出した。前年度報告したように、このADPリボシル化はGbのエフェクタ-ドメインにおこることから、この修飾が実際にGb蛋白の細胞内機能を変換させていることが確認できた。 また、Gbを介する情報伝達経路に関与する蛋白の一つと考えられるGTPase活性化蛋白質をウシ副腎細胞上清中で検出し、各種クロマトを用いてこれを均一にまで精製した。これは、分子量28Kの単純蛋白であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Morii,N.,et al.: "Immunochemical identification of the ADPーribosyltransferase in botulinum Cl neurotoxin as C3 exoenzymeーlike molecule." The Journal of Biochemistry. 107. 769-775 (1990)
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[Publications] Nishiki,T.,et al.: "ADPーribosylation of the rho/rac proteins induces growth inhibition,neurite outgrowth and acetylcholine esterase in cultured PCー12 cells." Biochemical and Biophysical Research Communications. 167. 265-272 (1990)
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[Publications] Narumiya,S.,et al.: "ADPーribosylation of the rho/rac gene products by botulinum ADPーribosyltransferase: identity of the enzyme and effects on protein and cell functions." Journal de Physiologie. 84. 267-272 (1990)
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[Publications] Morii,N.,et al.: "Purification of GTPaseーactivating protein specific for the rho gene products." The Journal of Biological Chemistry. (1991)
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[Publications] Narumiya,S.,et al.: "Purification and characterization of the human platelet TXA_2/PGH_2 receptor." Advances in Prostaglandin,Thromboxane,and Leukotriene Research. 21. 339-346 (1990)
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[Publications] Hirata,M.,et al.: "Cloning and expression of cDNA for a human thromboxane A_2 recrptor." Nature. 349. 617-620 (1991)