1989 Fiscal Year Annual Research Report
単クロ-ン抗体法を利用した蠕虫症の診断に関する基礎的研究
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01480170
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
仙道 富士郎 山形大学, 医学部, 教授 (80091833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 奬 山形大学, 医学部, 助教授 (50034004)
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Keywords | モノクロ-ナル抗体 / 日本住血吸虫 / Western blot法 / IgG_1 / IgM / heterophil antibody / 旋毛虫 / 交叉反応 |
Research Abstract |
寄生虫症の血清学的診断や宿主・寄生虫関係を免疫学的に解明する目的で、寄生虫に対するモノクロ-ナル抗体(MoAb)の作製を試みている。抗体産生脾細胞は一般には免疫によって得られているが、私たちは寄生虫の特殊性を考えて感染によって抗原刺激を与えて得た抗体産生脾細胞から主にハイブリド-マ(Hyb)を作製し、現在までに感染系11クロ-ンと免疫系5クロ-ンを得た。まず感染系クロ-ンについて述べると、日本住血吸虫の虫卵に対するMoAbは1クロ-ンを得、IgMであった。このMoAbは極めて特異性が高く、ミラシジウムの線細胞と孵化膜を選択的に染めた。本種幼虫に対しては4クロ-ンを確立し、いずれも1gMであった。Western blot法(WB)では4クロ-ン共、殆ど同様のpatternを示したが、数種寄生虫(線虫・条虫・吸虫・原虫)とは14〜96kDの広い範囲で交叉反応が認められた。その他、本種感染マウス脾細胞からheterophilのMoAb1クロ-ン・1gG_1を得た。これは本種をはじめ数種寄生虫には反応しなかったが、免疫組織学的にはヒツジ、ウマ、マウス、ヒトなどの神経細胞や胃の線細胞に反応した。旋毛虫感染マウス脾細胞からは5クロ-ンのHybを確立したが、WBによって14〜96kDと43kDに反応する2つのMoAbに大別された。14〜96kD反応MoAbはIgG_11クロ-ン(TSY2)と1gM4クロ-ン(TSY1、3、4、5)が含まれていた。これらは種特異性はないが、線虫類特に蛔虫雌抗原によく反応した。TSY2は数種寄生虫に、交叉反応がみられた。免疫系については旋毛虫抗原で試み、5クロ-ンを得た。そのうちTY10、60、64は旋毛虫特異のMoAbで、すべてIgG_1であった。WBで比較するとTY64は32kDのみ、他は14〜96kDに反応した。残りのTY20はIgMでTSY1などと同じ性状、TY28はIgG_1で43kDに反応を認めたが、交叉反応は検討中である。以上のように感染系から特異性の高いMoAbを得ることは免疫系のそれに比べて困難なようで、原虫類でもその傾向を認めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamashita,T.Watanabe,T.Hosaka,Y.Asahi,H.Minai,M.Saito,S.andSendo,F.: "Immunological Studies on Sohistosomiasis Japonica using Hybridoma Technology(I)Characterization of Two Monoclonal Antibodies Obtained from Spleen cells of Schistosoma Japonicum Infected Mice,Reactive with a Schistosoma japonicum Egg Antigen or a Heterophil Antigen." Jpn.J.Parasitol.38. 307-315 (1989)
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[Publications] Atsumi,M.Araki,Y.,Yamashita,T.,Watanabe,T.,Saito,S.,and Sendo,F.: "Immunological Studies on Schitosomiasis Japonica with Hybridoma Technology(II)Immunohistochemical Reactive with the Nerrous Systems and stomach Glandular cells of a Heterophil Monoclonal Antibody obtained from spleen cells of Schistosoma japonicum Infected Mice" Jpn.J.Parasitol.38. 316-323 (1989)