1989 Fiscal Year Annual Research Report
感染症例のポリクロ-ナル抗体を利用した熱帯熱マラリア原虫の防御関与抗原の解析
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01480171
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| Research Institution | Gunma University |
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Principal Investigator |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正一 (株)日本抗体研究所,群馬大学, 医学部, 社長,非常勤講師
脇 誠治 群馬大学, 医学部, 助教授 (10056286)
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| Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / ウエスタンブロット / マラリア患者 / 血清疫学 / ポリクロ-ナル抗体 / マラリアワクチン |
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| Research Abstract |
マラリアの感染にともない、(1)どのようなマラリア原虫の抗原分子に、特異的抗体が反応しているのか、(2)特定された抗原に抗体が反応する時期は感染初期か、あるいは患者が感染から回復してしばらく時間がたった後であるのかについて検討することが本研究の目的である。輸入マラリアを発症した日本人患者の血清をポリクロ-ナル抗体として使用し、熱帯熱マラリア原虫抗原分子との反応を、ウエスタンブロット法(以下WB)によってしらべた結果、熱帯熱マラリア原虫47kDポリペプチド(以下47kD)が感染早期の患者血清とは反応するが、感染回復後数週をへた患者血清とは反応しない事実が見出された。この事実は、同一患者から経時的に血清を採取して追跡検討した結果でも確認された。マラリアの血清疫学において、最近おこった感染と、過去の感染の累積とが区別できると、マラリア流行地の集団免疫状態の解析を一歩進めることが可能である。そこで、マラリア流行地であるス-ダンにおいて、さまざまな流行形態を示す地域から、それぞれ数十から百余の血清を採取し、血清供与者の病歴と照合させて血清を選別し、WBにより抗体と、原虫抗原分子との反応をみたところ、日本人患者血清と原則的に同じ結果がえられた。以上の事実は、熱帯熱マラリア抗原分子47kDは、流行地、非流行地を問わず患者の感染初期に産生される抗体が反応すること、したがってこの知見を流行地の血清疫学に利用することによって最近おこったマラリアの流行を血清学的に認知することが可能であることが判明した。次のステップとして47kDがどのサブクラスの抗体の産生を誘発しているのかについてしらべる予定である。以上の成果は、マラリア流行地の疫学解析に具体的に有用なあたらしい技術を具体的な形で提供すると同時に、現在行き詰り状態といわれるマラリアワクチン研究にも有用な情報を提供する結果につながるかもしれない。
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[Publications] S.Kano,T.Takagi,A.A.El Gaddal and M.Suzuki: "A new method of plasma collection suitable for large scale seroepidemiological surveys of malaria in the tropics" Transaction of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene. 83. 304 (1989)
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[Publications] S.Waki,Li Jun,Zhu Melyin,Qian Yongle,T.Takagi Gu Haoming M.Suzuki: "A field trial of a fluorometric in vitro drug sensitivity test for Plasmodium falciparum in Hainan island" Transaction of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene. 83. 165-166 (1989)
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[Publications] S.Waki,T.Takagi,and M.Suzuki: "Acquirement of protective immunity in mice through infection with an attenuated isolate and its failure in parent virulent Plasmodium berghei" Parasitology Research. 75. 614-618 (1989)
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[Publications] K.Sato,S.Kano,H.Yamaguchi,F.W.Omer,S.H.El Safi,A.A.El Gaddal,M.Suzuki: "An ABC-ELISA for malaria serology in the field" American Journal of Tropical Medicine and Hygiene. 42. 24-27 (1990)
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[Publications] S.Kano,Y.Sugioka,M.Suzuki: "A 47kD Plasmodium falciparum antigen which reflects recent acute infection" Presented at 24th Joint Conference on Parasitic Disease The US-Japan Cooperative Medical Science Programme Wisconsin.
