1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480192
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60161551)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 泰治 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10156119)
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
|
Keywords | HLAクラスII遺伝子 / 転写調節 / サイトカイン / 核蛋白 |
Research Abstract |
免疫応答制御におけるHLA-DR分子とDQ分子の役割の差をもたらす分子機構を解明するために、グリオブラスト-マ細胞株T98Gを用いて、HLAクラスII遺伝子群の発現制御機構を解析した。T98G細胞は通常クラスII分子を発現しないが、IFNγ処理によりDR、DQ、DPいずれの分子をも発現する。更にTNFが存在するとDR、DP分子の発現はやや低下するのに対し、DQ分子の発現増強がみられる。この発現制御はα鎖遺伝子の転写レベルに依存するため、DQA転写活性増強に関与する核因子をゲルシフトアッセイにより検討した。T98G細胞では、IFNγ+TNFα処理により-150および-75領域の2箇所(TRSdeおよびTRSpe)に結合する核因子(NF-TRS)が誘導された。この核因子は、DRA、DRB5、DQB、DPA、DPBいずれのプロモ-タ-にも結合せずNFκB/H2TF1ファミリ-に属すると考えられた。またNF-TRSは、B細胞株に比較的多く存在し、T細胞株においてはPHA+TPA刺激やIFNγ+TNFα刺激により誘導されることが確認された。このことはB細胞や活性化T細胞においてDQ分子の発現の高いこととよく相関した。クラスII分子の組織特異的転写に重要であるとされるNF-XおよびNF-YはいずれもDQAプロモ-タ-に弱くしか結合しないことから、DQA遺伝子の転写は他のクラスII遺伝子とは異なる機構により組織特異性を保っており、またサイトカインにより異なった転写調節を受けることが明らかとなった。 若年性糖尿病患者のHLA-DQアレルをPCR法とSSOを用いたドットブロット解析により決定した。この結果DQA1^*0301-DQB1^*0401が感受性、DQA1^*0103-DQB1^*0604が抵抗性と相関することが明らかとなった。抵抗性と相関するDQA-DQB遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製し、糖尿病モデルマウスNODとの戻し交配を行ったところ、ヒトDQ遺伝子は糖尿病の発症をやや遅らせるにとどまり発症の防止はみられなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Fukui,Y.et al: "Glycosuria and insulitis in NOD mice expressing the HLA-DQw6 molecule" J.Immunogenet.
-
[Publications] Sasazuki,T.et al: "HLA-linked immune suppression in humans" Immunology,Supplement. 2. 21-24 (1989)
-
[Publications] Nishimura,Y.et al: "Expression of human major histocompatibility complex,HLA-DQw6 genes alters the immune response in C57BL/6 mice"