1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT細胞受容体を介する増殖誘導におけるアクセサリ-細胞の役割の解明ーT細胞との表面相互作用分子と液性因子の同定と作用の解析
Project/Area Number |
01480193
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
垣本 毅一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20112352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 孝文 熊本大学, 医学部, 助手 (30185384)
尾上 薫 熊本大学, 医学部, 教授 (60037497)
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Keywords | T細胞増殖 / ILー1 / ILー6 / アクセサリ-細胞機能 / マクロファ-ジ / 細胞間相互作用 / LFAー1 / γーインタ-フェロン |
Research Abstract |
抗原刺激によるT細胞の増殖誘導には、マクロファ-ジ(Mφ)等のアクセサリ-細胞(AC)による抗原提示と共に、ACからの液性因子の作用と、ACーT細胞間の相互作用が必要であることを我々はすでに明らかにした。本研究は、その可溶性因子と、相互作用に関わる細胞表面分子の実体を調べることを目的とし、以下の結果を得た。 1)細胞表面相互作用に必要なMφ表面分子:T細胞の抗原受容体とCD3の複合体を架橋刺激するため、抗CD3抗体被覆ラテックス粒子をT細胞に加え、さらにパラフォルムアルデヒド(PFA)で固定したMφ(又はU937細胞)と可溶性因子を加えて培養し、増殖誘導に対する有効性を指標に解析した。その結果、Mφの表面相互作用活性はγーインタ-フェロン(IFNーγ)により、用量依存性に20時間以内に出現することが判明した。未分化Mφにはこの活性が誘導されない。 2)細胞表面相互作用分子に対する単クロ-ン抗体作製の試み:IFNーγで前培養後PFA固定したU937でマウスを免疫し、上記の実験系でT細胞の活性化を阻害する数種の単クロ-ン抗体の作成に成功した。そのうちの1つは、現在までの検討で、白血球インテグリンに属するLFAー1に対する抗体と推察され、既製の抗体とは違うエピト-プに結合し、T細胞活性化を極めて効果的に阻害し、LFAー1の重要性が示された。さらに、他の分子の必要性も示唆された。 3)活性化に必要な液性因子:インタ-ロイキン1(ILー1)とインタ-ロイキン6(ILー6)が必要であり、Mφから遊離する液性因子活性は抗ILー1か抗ILー6何れかで大部分が消失することを確かめた。 以上、T細胞活性化には、少くともT細胞上のLFAー1とIFNーγによってMφ上に発現する分子群との相互作用が必須であり、さらにMφから遊離するILー1とILー6の協同的作用が必要なことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawakami,K.,Yamamoto,Y.,Kakimoto,K.and Onoue,K.: "Requirement for delivery of signals by physical interaction and soluble factors from accessory cells in the induction of receptor-mediated T cell proliferation" Journal of Immunology. 142. 1818-1825 (1989)
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[Publications] Kawakami,K.,Kakimoto,K.,Shinbori,T.and Onoue,K.: "Signal delivery by physical interaction and soluble factors from accessory cells in the induction of receptor-mediated T cell proliferation" Immunology. 67. 314-320 (1989)
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[Publications] 尾上薫,山本雄正: "最新免疫学I.山村雄一編集.分担執筆.「IL2の構造と産生制御」" 同文書院, 444 (1990)