1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480195
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加美山 茂利 秋田大学, 医学部, 教授 (80004547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道岡 攻 秋田大学, 医学部, 助手 (80006717)
島田 彰夫 秋田大学, 医学部, 講師 (70006724)
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Keywords | 食生活 / 癌発生 / 個体差 / 性差 / 発癌因子 / 感受性試験 / 発癌抵抗性 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
昭和57年1月から開始した食生活と癌発生に関する追跡調査成績から対象者を選択する目的で、癌感受性の個体差に関する種々の検討を行った。上記調査では全国19市町村の国保加入者のうち30〜69才の全員を対象として食品・嗜好品60種目の摂取量を調査し、癌発生者を追跡している。この調査成績から、対象地区別の癌発生率と食事中変異原性陽性者の出現率は強い相関が見られた。また、この変異原性陽性者の出現率には大きな性差がみられ、女性は癌高率地区で50%低率であった。このように全対象者では女性が男性より陰性化食品の摂取傾向が強いのに反し、癌発生者では女性が全癌、胃癌、腸癌、その他の癌のいづれでも陽性化食品の摂取が大きい傾向にあった。また、ln(癌発生率)をY軸に、食事中変異原性陽性者出現率をX軸に取ると、回帰直線が男が女より上部に位置し、女性が男性より発癌因子(特に変異原性因子)による癌発生には強い家族集積性がみられ、癌家族集積性の見られる対象者での訂正癌発生率を比較するとそれの見られない対象者の10〜15倍に当たる。このことから、感受性試験の対象者の選択には癌家族集積性を加味した。癌発生に関する疫学的検討は上述したように、癌抵抗性の性差が変異原性物質にたいする感受性の差に起因する事が示唆され、この事は、その代謝過程に由来する事が考えられた。この事から、発癌抵抗性に関連する代謝機構を究明するために、米国NIHより薬物代謝酵素系P-450、グルクロンサン転位酵素、グルタチオン転位酵素とともに癌抑制遺伝子として知られるRb遺伝子のcDNAを送ってもらった。各種P-450の酵素タンパク質部はお互いに多くの部位で一致し、個々のP-450を識別するためcDNAのノンコ-ドン部のハイブリダイズしない切片の検索を行っている。
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