1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480195
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加美山 茂利 秋田大学, 医学部, 教授 (80004547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道岡 攻 秋田大学, 医学部, 助手 (80006717)
島田 彰夫 秋田大学, 医学部, 講師 (70006724)
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Keywords | 発がん抵抗性 / 性差 / 実験的疫学的研究 / 食事バランス / Ah locs / 薬物代謝酵素 / 高誘導群 / 低誘導群 |
Research Abstract |
疫学的には、胃がん,腸がん及びその他のがんに分類して、これらがん発生者の食事中変異原性関連食品の摂取バランスを男女で比較した。このバランスは、がん発生者の全員が、食事中変異原性の疑陽性あるいは陽性域に分布していた。男女間の比較では、3種類のがん発生者とも女性でより陽性化食品の摂取傾向が強く、特に肺がん発生者に関して見ると、食事バランスが発がん群の中で最も広範囲に分布していた。これらの事は、がんの発生には食事バランスが変異原性疑陽性以上であり、男は女より陰性化食品の摂取が高くてもがんに成り得る。一方、肺がんの発生には、食事以外の要因(おそらく吸気)がある事が示された。 実験的には、食事要因として食事摂取バランスが陽性域にあり、かつ家族要因として種々のがん家族集積性のある20家族の男女全員を対象として選び研究協力を要請した。協力を承諾した家族は16家族で、小学生以下の小児を除く68名から採血を行った。一方、がん家族集積性を発がん部位別にみると、同家族では同部位での集積が強く、薬物代謝酵素誘導のAh locsの遺伝様式を示唆するものであった。この事から、発がん物質暴露を経口,経気道および経皮として薬物代謝酵素高誘導群,低誘導群および両者の混合型(両親が高誘導型と低誘導型)に分類して比較した。これらのがん発生者は当然低誘導者の食事バランスが陽性化食品摂取傾向が強く、高誘導者のがん発生と同レベルの食事ではがん発生が起きにくい事を示している。これらの採血対象者は高誘導型男14名,女12名、低誘導者男10名,女14名,混合型男8名,女10名であり、男女の割合が高誘導者の男44%に対し、女33%であり、低誘導者は男31%に対し、女39%であった。これら血液は血清とリンパ球を分離し、血清については種々の臨床検査項目を測定し、リンパ球からはmRNAを分離し、実験を継続しているが、未だ著名な性差は得られていない。
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