1989 Fiscal Year Annual Research Report
定期健康診断が成人病予防に果たす役割に関するプロスペクティブ疫学研究
Project/Area Number |
01480211
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大久保 利晃 産業医科大学, 医学部, 教授 (90051549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 健三郎 産業医科大学, 学長 (00050922)
山口 直人 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80119031)
舟谷 文男 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70119006)
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Keywords | 定期健康診断 / 成人病予防 / 疫学 / 追跡研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、職域、地域の健康診断受診者を追跡調査することにより、健康診断が成人病予防に果たす役割を疫学的に評価することである。平成元年度の活動によって勤労者、地域住民約4、000名を追跡調査対象者として確保でき、本研究の設備備品として購入した東芝J3100コンピュ-タシステムをタ-ミナルサ-バ、EtherNETを介して大学の研究用コンピュ-タシステムVAX8300を接続したシステムにより、デ-タベ-スの構築を完了した。また、デ-タベ-スに保存されている個人単位の情報を基に、健康指導のための個人別レポ-トを作成するソフトウエアを完成し、現在使用中である。健診の短期効果の分析は、対象者のうち1、221名について第1回目の分析を完了し、住民健診の受診後平均171日の追跡期間中少なくとも1回以上医療機関を受診した者は47%で受診理由別の解析により、全罹患者のうち、健診が発見できた症例は、15%であることが明らかとなった。健診の効果を評価するためのモデルを理論的に検討した結果では、健診で発見される症例と健診間に症状で発見される症例の比が、疾症の前臨床期の長さと検査の感度の簡単な関数として表現でき、有用な指標であることが明らかとなった。また、糖尿病、肝疾患をモデルとして疾患の自然史、疫学的特徴、あるいは疾病早期発見のために利用可能な検査項目等について、文献デ-タベ-スを構築し、定期健診の効果をシミュレ-ションするためのパスダイアグラムと対応する遷移確率行列の推定を行った。それに基いて、健康のインパクトをシミュレ-ションするシステムの開発も進行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口直人: "ライフスタイルの家族内伝幡とがんの家族集積性" 癌の臨床. 36. 413-417 (1990)
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[Publications] 山口直人: "成人病スクリ-ニングプログラムの数量的評価の理論と方法" 産業医科大学雑誌. 12. 83-88 (1990)
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[Publications] 山口直人: "住民健診受診者のその後の受療行動に関する追跡研究" 日本公衆衛生雑誌.