1991 Fiscal Year Annual Research Report
定期健康診断が成人病予防に果たす役割に関するプロスペクティブ疫学研究
Project/Area Number |
01480211
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan (UOEH) |
Principal Investigator |
大久保 利晃 産業医科大学, 医学部, 教授 (90051549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 健三郎 産業医学大学, 学長 (00050922)
山口 直人 国立がんセンター, 研究所, 室長 (80119031)
舟谷 文男 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70119006)
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Keywords | 定期健康診断 / 成人病予防 / 疫学 / 追跡研究 |
Research Abstract |
第1・2年度で設定した地域および職域の研究対象集団において、健診後の追跡を行った。先ず,健診後の疾病罹患状況より,健診間隔と前臨床期の長さ,検査の感度,特異度を用いた数学モデルを作成して,健診によって発見可能な症例の割合を推定した。また,職域集団においては,診療報酬請求書を利用して,実際に糖尿病の場合における健診の果たす役割りを解析した。この解析には対象集団の内,必要なデ-タが入手可能な6,920人のサブコホ-トを用いた。このうち,健診で379人に血糖値の異常を認めたが,その後1年間に糖尿病で治療したのは126人と半分以下であり,事後措置の体制が不十分であることが判明した。今後早期治療群が放置群に比し予後の改善度合を評価するため長期的に観察を行う。また,健診とその事後措置として行われる各種の健康指導により,受診後のライフスタイルが如何に改善したか調査するためにアンケ-ト調査を行った。回収率は93%と高く,回答者のライフスタイルが改善されていることが証明され,健診が健康教育に効果のあることが判明した。健康診断で用いられている各種の検査の性能を評価するために,陽性反応的中率の推定を行った。健診で精密検査の対象となった者(陽性反応者)が全て精密検査を受診しないので,真の有病者を識別することはできないが,未受診者を全員異常者とした場合と,全員正常と仮定した場合から的中率の推定を行った。最後に,職域の集団で,健診で精密検査必要ありと判定された群のその後の診療報酬請求書の提出状況を調査した。その結果,精密検査で異常の診断を受けた群は,約半数がその後半年間受診を続け,約10%がより長期間治療を続け,明らかに治療が必要であった群であることが推定された。今後陰性判定群(正常者)の請求者を調査することにより,最も把握の困難な偽陰性率の推定を行う予定である。
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Research Products
(1 results)