1991 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞性白血病の高Ca血症におけるインタ-ロイキン1・PTH様物質の関与
Project/Area Number |
01480221
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Research Institution | University of Occupational & Environmental Health (U. O. E. H.) |
Principal Investigator |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90010347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 文彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (10158967)
山下 優毅 広島大学, 医学部, 教授 (00028680)
織田 進 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80035237)
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Keywords | ATL / PTHrP / IL4 / IL2 / HHM / LOH / 高カルシウム血症 |
Research Abstract |
1.ATL患者におけるPTHrPの測定 悪性腫腸における高Ca血症惹起因子の中でも最も重要な因子であるPTHrPを末端測定RIA法を用いてATL患者の血中・尿中の値につき検討を行なった.先ず血中PTHrP値はHTLVー1キャリア-では陰性であった.高Ca血症群ではでは全例高値列で異常高値例が多かった.正常Ca値群では約25%の症例で中等度の高値を示したが,この症例はその後,いずれも高Ca血症を発症した.これに対し局所的骨融解によって高Ca血症が惹起されるLOH群,さらに原発性副甲状腺群では,いずれも正常範囲で,血中PTHrPの測定は高Ca血症の鑑別とATLにおける高Ca血症の発現予測に有用と考えられた.一方,尿中では高Ca血症群に比し,値はやゝ低いものの正常Ca値群でも全例で高値を示した.たゞ,急性発症型や白血病クリ-ゼ型では高値であるのに対し,慢性型,くすぶり型では正常で,尿中PTHrPの測定が病勢の把握に有用であることが推定された. 2.ATL患者におけるPTHrP産生に関するIL2の関与 新鮮ATL細胞培養上清中にIL2を添加したところ,PTLrP分泌は濃度依性に増加し,また,細胞内PHTrPmRNAの発現も増加したことによりIL2がATL細胞のPTHrP産生・分泌とそれに続発する高Ca血症に重要な関与をしていることが示唆された. 3.IL4の高Ca血症抑制作用 既にIL4がin vitroで骨吸収抑制作用を有することは報告したが,マウスにPTHrPを投与して,あるいはヒト高Ca血症惹起癌を移植して高Ca血症を再現させたヌ-ドマウスにIL4を投与した所,高Ca血症が是正された.ATLにおいてもIL4が高Ca血症の度合を修飾している可能性が示唆される.(ATL細胞よりIL4は産生される)
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Watanabe,Kenichi: "Interleukin 4 as a potent inhibitor of bone resorption." BBRC. 172. 1035-1041 (1990)
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[Publications] Tanaka,Yoshiya: "Calcium dependency of the production of interleukin 1 and expression of interleukin 1 receptors of human adult Tcell leukemia cells in vitro." Cancer Research. 50. 4344-4348 (1990)
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[Publications] 渡辺 堅一: "RIAキットによる血清CーPTHrP測定の基礎的・臨床的検討" ホルモンと臨床. 39. 873-881 (1991)
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[Publications] Nagasaki,Koichi: "Interleukinー4 blocks parathyroid hormoneーrelated proteinーinduced hypercalceimia in vivio" BBRC. 178. 694-698 (1991)
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[Publications] 江藤 澄哉: "悪性腫瘍における高Ca血症" 日本内科学会雑誌. 80. 1534-1539 (1991)
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[Publications] 江藤 澄哉: "悪性腫瘍に伴う高Ca血症の発症要因" 実験医学. 10. 359-364 (1992)
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[Publications] 江藤 澄哉(漆崎 一郎編): "癌とQuality of Life合併症状の対策:高Ca血症" ライフ・サイエンス社, 10 (1991)