1990 Fiscal Year Annual Research Report
実験的マウス過敏性肺炎モデルに於ける発症機序の免疫学的分子生物学的検討
Project/Area Number |
01480236
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大久保 隆男 横浜市立大学, 医学部・内科学・第1講座, 教授 (40006705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 賢治 横浜市立大学, 医学部・内科学・第1講座, 助手 (20094310)
加藤 清 横浜市立大学, 医学部・医療情報室, 講師 (70177434)
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Keywords | 過敏性肺炎 / 肺肉芽腫形成 / インタ-ロイチン4(ILー4) / Tヘルパ2細胞 |
Research Abstract |
過敏性肺炎モデルをマウスにおいて、肺内肉芽腫形成を指標に、In vivoにおいて検討し、誘導期においては、IーAに拘束しTヘルパ細胞が重要であり、修復期には細胞障害性T細胞が主要な役割をはたしていると考えられた。そこで、In vivoの実験系を確立をはかった。その結果、感作T細胞とマクロファ-ジに加えて抗原特異的な免疫グロブリンの存在が必要であった。但し、正常マウス血清を加えると、非特異的に抗原結合ビ-ズに細胞の集簇がおこり、これをヘパリン処理后同様に加えると集簇はおきなかった。以上より、培養液は、Nu血清を用いて、精製した抗原特異的なIgG(マウス)を微量加え、コントロ-ルを常時様々におき検討した。抗原特異的IgGの精製は、95%以上であった。実体顕微鏡下にて経時的に観察し、上清を3倍濃縮後ウェスタンブロットにてサイトカインの測定をはかった。5日後より集簇傾向を認め、T細胞とマクロファ-ジの間にIーAの拘束性を認めた。上清についての検討では、サイトカインはウェスタンでは確認できなかった。この培養条件に、各種サイトカインを添加し、検討した。IFNーγ・IL2・GCSFについてはコントロ-ルと差を認めなかったが、IL4にて集簇傾向が強まるばかりでなく細胞の巨大化がおきるものも出現した。ヘマトキシリン染色・免疫組織染色を行い、巨細胞の存在を確認した。 In Vitroにおいても、In vivoの実験系と同様にT細胞とマクロファ-ジの間にIーAの拘束性が必要であり、ILー4にて反応が強くまた巨細胞出現をみたことより、この過敏性肺炎モデルにおいてIL4が重要な役割とをになっており、Tヘルパ2細胞の関与が示唆される。今后、更に詳細な細胞内の分子免疫学的検討をすすめていく。
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[Publications] 加藤 清: "実験的肺肉芽腫モデルにおける修復機序に果たすT細胞の影響" 炎症. 10. 383-386 (1990)
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[Publications] 川井 孝子: "実験的肺肉芽腫モデルにおけるサイトカインの役割" 日本サルコイド-シス学会雑誌. 9. 49-50 (1989)
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[Publications] K.Katoh: "Differentiation of alveolar macrophages is induced by cytokine stimulation in vitro" Am.Rev.Respir.Dis.141. A822 (1990)
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[Publications] T.Kawai: "Interleukin 4 is involved in development of experimental hypersensitivity pneumonitis in mice" Am.Rev.Respir.Dis.141. A314 (1990)
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[Publications] Kiyoshi Katoh: "T cell transfer leads IーA restricted hypersensitivity pneumoritis in mice" Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.