1989 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>の生理的変動に伴う心筋K^+電流の活性化と心拍不整
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01480245
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| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
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Principal Investigator |
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 裕司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00181181)
沢登 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00014217)
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| Keywords | パッチ・クランプ法 / 一過性外向き電流 / Ca^<2+>電流 / 遅延整流K^+電流 / 活動電位再分極相 |
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| Research Abstract |
活動電位発生中にCa^<2+>チャンネルを介して流入するCa^<2+>がK^+などの他の電流系に働いて、心筋細胞の興奮伝導性にどのように作用するかについて、コラゲナ-ゼで単離した家兎とモルモットの心室筋にパッチ・クランプ法を適用して検討した。家兎の心室筋細胞には一過性外向き電流が存在し、これが再分極相の形成に寄与している。しかるに、この一過性外向き電流のCa^<2+>感受性については相反する説があって混乱していたが、今回の研究から一部はCa^<2+>非感受性・他はCa^<2+>感受性であり、かつ両者の不活性化からの回復時定数が異り、かつ後者は頻拍時にはその心拍とともに増加してゆく複雑な系であることが明らかとなった。このため、Ca^<2+>電流の発育の有無によりCa^<2+>感受性の一過性外向き電流成分が変化することが判明した。一方、モルモット心室筋細胞ではこの一過性外向きは未発達で殆どみられない。そのために、逆にCa^<2+>電流と遅延整流K^+電流の相互関係の検討には適しているといえる。そこで、遅延K^+電流の活性化にCa^<2+>チャンネルを介して流入するCa^<2+>が寄与しているか否かを検討した。その結果、Ca^<2+>電流の有無により遅延整流整流K^+電流の早く活性化される成分が影響を受け、Ca^<2+>電流を抑制した状態では本電流成分の活性化が遅れることが判明した。このため、Ca^<2+>拮抗薬などの投与初期には予想に反して活動電位の延長が一時的に認められるのは、Ca^<2+>依存性遅延整流K^+電流の活性化が遅れるためであることを実験で証明した。以上の電気生理学的実験には備品として購入したパッチクランプ用増巾器,オシロスコ-プ及びインタ-フェ-スが極めて有用であった。なお、二つのK^+電流とも単一チャンネル電流の測定を試みたが、今年度は成功せず、ノイズ解析からのアプロ-チを次年度に予定している。また、細胞内Ca^<2+>濃度との定量的関係を得るためにFura2を用いた実験を計画中である。
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[Publications] Hiraoka,M.and S.Kawano: "Beat-dependent increase in the caffeine-sensitive transient outward current in rabbit ventricuar myocytes." J.Mol.Cell.Cardiol.201(Supp1). S40 (1988)
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[Publications] Hiraoka,M.,S.Kawano and Z.Fan: "Ca^<2+>-dependent transient outward current in rabbit ventricular myocytes." J.Physiol.Soc.Jpn.50. 545 (1988)
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[Publications] Hiraoka M.,S.Kawano Z.Fan and T.Sawanobori: "Effects of the Ca^<2+>-influx inhibition on membrane potentials and ionic currents of ventricular myocytes from rabbit and guinea pig hears" Jpn.Cric.J. 52. 921-922 (1989)
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[Publications] Hiraoka,M.and S.Kawano: "Calcium-sensitive and -insensitive transient outward current in rabbit ventricular myocutes." J.physiol. 410. 187-212 (1989)
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[Publications] 平岡昌和: "心室筋活動電位持続時間とイオン電流" 心電図. 9(Suppl). 43-61 (1989)
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[Publications] Hiraoka M.and Z.Fan: "Ca^<2+>-dependnet component of delayed outward K^+ current in guinea pig ventricular myocytes." Biophysis.J.55. 45a (1989)
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[Publications] Fan,Z.and M.Hiraoka: "Depression of delayed outward K^+ current by Ca^<2+> in guinea pig ventricular myocytes." J.Mol.Cell.Cardiol.21(supplII). S55 (1989)
