1989 Fiscal Year Annual Research Report
Myocardial hibernationの病態および成因に関する実験的研究
Project/Area Number |
01480246
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
木之下 正彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60093168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔦本 尚慶 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40197695)
高橋 正行 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40179528)
福原 武久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90156802)
三ッ浪 健一 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10127037)
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Keywords | Myocardial hibernation / Rapid ventricular pacing / ^<31>P NMR spectroscopy / Conductance catheter method / High energy phosphate / Intracellular calcium |
Research Abstract |
Rapid ventricular pacingによるhibernating myocardium(冬眠心筋)の作成をこれまで約30頭について行った。それらのうち良好なデ-タの得られた15頭についてみると、左室peak dp/dtはペ-シング終了60分後に有意に改善し(1550±426→1814±406mmHg/sec,n=10,p<0.005)、左室収縮期圧も120分後に有意に上昇して(105±15→121±16mmHg,n=9,p<0.05)、ペ-シング中止後早期に収縮能が回復(冬眠から覚醒)することが示唆された。ただし心室容積測定装置シグマ5システムを用いたコンダクタンス・カテ-テル法による心機能の測定では、E_<max>の有意な改善が見られなかったが、これについてはn=1〜5と、例数が少ないことによる可能性がある。一方、左室拡張終期圧はペ-シング中止後7日にして初めて有意な改善を認めたが(16±6→13±9mmHg,n=3,p<0.05)、左室peak negative dp/dt(n=1〜7)や左室等容弛緩期圧曲線の時定数T(n=1〜5)の改善を認めず、左室拡張能の回復には比較的時間がかかることが示唆された。以上よりhibernating myocardiumの回復過程では、まず収縮能が改善し、続いて拡張能が改善すると考えられるが、いずれも今後例数を増やしてさらによく検討する必要がある。なお、^<31>P NMR spectroscopyについては良好なin situ NMR spectrumを得るために、現在シム調整や適切な表面コイル作成に鋭意努力中である。また、electron probe x-ray microanalysisについては、凍結超薄切片をドライアイス下に凍結真空乾燥して、X線分析装置(EDAX 9100)で分析したところ、Caなどのpeakは出るが細胞形態が保持できないためにその局在の同定は困難であった。
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