1989 Fiscal Year Annual Research Report
無ガンマグロブリン血症にみられる異常免疫グロブリンの蛋白及び遺伝子レベルでの解析
Project/Area Number |
01480255
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 滋 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (30124605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 正好 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (20211592)
佐藤 徹雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90170761)
今野 多助 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (00004846)
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Keywords | 無ガンマグロブリン血症 / エプスタイン-・バ-ウィルス / 未熟B細胞株 / K-λダブルプロデュ-サ- |
Research Abstract |
新たに見い出された先天性無ガンマグロブリン血症(CAG)患児骨髄血にEBVを感染させ、細胞株を作成した。免疫グロブリンの表現型からみて種々の分化段階にあるB細胞株が得られた。共通して認められた現象は、どの細胞株も極めて増殖が悪く数代の継代後に死滅してしまうと言う事である。このような性状はCAG由来B細胞株の共通した性状であり、CAGの病因と密接な関係があるものと思われた。 一方CAG由来のB細胞株としては珍しく軟寒天上でコロニ-形成能を獲得したK4細胞株の解析を行った。K4株は細胞質内にκとλの2つの軽鎖を持つμ重鎖を発現している。1つの免疫グロブリン重鎖が2つの免疫グロブリン軽鎖を伴っているのは異常である。K4株の中にμ-Kとμ-λ産生細胞株が混在している可能性を否定するために、軟寒天上でのK5細胞のクロ-ニングを3度繰り返し行った。その都度50個から100個のクロ-ンの免疫グロブリン発現パタ-ンを検索したが、いずれのクロ-ンにおいてもμ重鎖はκとλの2つの軽鎖を伴っている事が明らかになった。今後蛋白及び遺伝子レベルでこの現象を証明し、さらにκ鎖とλ鎖が同時に発現する機序の遺伝学的解析を進めて行きたい。なおK4細胞を軟寒天に播いた時のplating efficiencyは1.9%であった。K4細胞は不死化能を獲得した上に軟寒天でのコロニ-形成能も獲得しており、通常のCAG由来のB細胞株の増殖特性とは大きく異なっている。両者に認められる増殖能の相違の原因を明らかにすることができれば、この方向からもCAGの病因に迫る事ができる材料が得られるものと期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] MASAYOSHI MINEGISHI: "Monoclonal antibody Oirected to human T-cell malignancy antigen" Leukemia Research. 13. 43-51 (1989)
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[Publications] ISHII AKEMI: "Chroric myelocytic leukemia probakly promoted by growth hormone" Tohoku J.Exp.Med.158. 263-264 (1989)
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[Publications] NAOKO MINEGISHI: "Effects of in vitro treatment with 4-hydroperoxycyclophosphamide and hyperthermi on leukemic progenitor cells" Tohoku J.Exp.Med.159. 101-111 (1989)
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[Publications] NAOKO MINEGISHI: "Preservation of immature hematopoietic progenitor eells responding to interleukin 3 in marrow treated with 4-hydroperoxycyclophosphamide" Tohoku J.Exp.Med.159. 113-122 (1989)
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[Publications] SHIGERU TSUCHIYA: "B-lineage phenotype of lumphoblastoid cell lines from patients with agemmaglobulinemia"
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[Publications] 土屋滋: "トランスコバラミンII欠損症" 小児医学. 22. 449-464 (1989)