1990 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞間接着構造とその分化に伴う制御(シグナルトランスダクション)と異常
Project/Area Number |
01480267
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
北島 康雄 自治医科大学, 医学部, 助教授 (70111797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金沢 一也 自治医科大学, 医学部, 助手 (20169543)
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Keywords | 表皮細胞 / デスモソ-ム / 細胞間接着 / プロテインキナ-ゼC / リポコルチン / 表皮水疱症 / 80kd Cキナ-ゼ基質 / 水疱症 |
Research Abstract |
本研究の目的は表皮細胞の細胞間接着構造およびその形成と脱着の制御に関する正常と病的状態の解明である。表皮細胞は低Ca^<2+>培地中ではデスモソ-ム(DS)を形成しないが、Ca^<2+>添加でこれを形成する。我々はこれまでにこの系においてCa^<2+>添加直後(30秒〜15分)からイノシト-ルリン脂質の分解とジアシルグリセロ-ル、イノシト-ル3燐酸の生成、プロテインキナ-ゼC(PKC)の活性化を認め、このPKCの活性化がDSの構成分子であるデスモプラキンの細胞質から膜への移行とDS形成に深く関与することを昨年度までに報告してきた。 本年度はこのCa^<2+>添加によって活性化されるPKCの基質に関して研究した。既知のPKCの基質であるリポコルチンI(LPCI、これはEGFの基質でもある)がCa^<2+>添加で細胞質から膜へ移行すること、LPCIが尋常性乾癬では正常とは異なって細胞膜に移行していること,その一部がCa^<2+>結合型であることを見出した(Annual Meeting for The Society for Invest.Dermatol.平成2年5月発表、Washington DC、論文は投稿中)。しかし、LPCI自身はリン酸化されなかった。そこでさらにPKCの別の主たる基質として知られている分子量80KD蛋白(この蛋白は脳、線維芽細胞等広く分布しているが、機能は不明である。表皮細胞では知られていない。)について検討した結果、この蛋白は表皮細胞にも十分量存在し、Ca^<2+>添加直後にリン酸化量が50%以上上昇し、かつ細胞質からトリトンX100不溶性画分に転移した(第49回日本癌学会平成2年8月発表、第16回日本研究皮膚科学会平成3年7月発表予定)。 表皮細胞間接着障害性の皮膚疾患に関しては、単純型表皮水疱症2例について、前に培養表皮細胞においてケラチンの分布異常と滴状化を発見していたが、患者皮膚の生検組織の電顕観察によるin vivoの形態と比較した(第1回日欧合同皮膚電顕生物学会平成3年5月発表予定)。
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[Publications] Yasuo Kitajima,Hajime Hirata,Yasuo Kagawa,Hideo Yaoita: "Partial amino acid sequence of an amyloid fibril protein from nodular primary cutaneous amyloidosis showing homology to λ immunoglobulin light chain of variable subgroup III (A λIII)" Journal of Investigative Dermatology. 95. 301-303 (1990)
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[Publications] Hayashi,K.Owada,S.Sonobe,K.Komae,T.Yamanouchi,T.Kakunaga,Y.Kitajima,H.Yaoita: "Monoclonal antibodies specific to a Ca^<2+>ーbound form of lipocortin I distinguish its Ca^<2+>ーdependent phospholipidーbinding ability from its ability to inhibit phospholipase A_2." Biochemical Journal.
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[Publications] 北島 康雄: "ケラチンの分子生物学と角化の成立様態" 医学のあゆみ. 156. 459-502 (1991)
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[Publications] 北島 康雄: "表皮細胞における細胞間接着と細胞基質間接着の制御" 生体の科学. (1991)
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[Publications] Yoshinori Jinbu,Yasuo Kitajima,Shigeaki Kato,Yoko Akasaka,Hideo Yaoita: "Different effects of pemphigus antibody on the distribution of keratin intermediate filaments and desmoplakins between cultured oral and epidermal keratinocytes" Journal of Dermatological Science.
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[Publications] Yasuo Kitajima,M.Koji Owada,Hiromi Mitsui,Hideo Yaoita: "Iipocortin I is preferentially localized on the plasma membrane in keratinocytes of psoriatic epidermis as shown by immunofluorescence in tissue sections" 投稿中.
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[Publications] 北島 康雄: "今日の皮膚疾患治療指針:角化症(分担)" 医学書院, 2 (1990)