1989 Fiscal Year Annual Research Report
臨床生検標本の2Gyに対する放射線感受性テストの確立とその臨床応用
Project/Area Number |
01480275
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 省三 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40050348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾川 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00158817)
中山 俊威 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90189077)
西口 郁 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20198451)
伊東 久夫 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20095574)
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Keywords | 放射線感受性 / 生検標本 / 初代培養細胞 |
Research Abstract |
本研究課題における最大の特長は、臨床材料より高率に細胞培養を成功させることと、培養細胞の放射線照射後の効果判定を、コロニ-法に代って細胞の染色領域により行なうことである。特に培養細胞の染色領域が、全体の中で占める割合による細胞生存の算出には、一定面積あたりの不正形に染色された部分の正確な比率が必要である。この目的を達するため、高分解能テレビカメラにより画像として情報を得て、その画像をコンピュ-タ-により解析するプログラムの開発が必要である。本年度はこの目的に沿った機器を購入し、樹立された培養細胞を用いて、システムの開発を行なった。この染色領域による細胞生存率の算出法と、コロニ-による生存率の相互関係について、樹立培養細胞V79、SQ5により検討し、良好な相関をみている。 臨床生検標本あるいは手術標本をメスにより細片とし、コラゲナ-ゼとDNaseのカクテルを用いて浮遊細胞液を作製し、fibrinonectin fibropeptideで底部を加工した24穴プレ-トにて培養し、primary cultureを作製する手技を用いた。本法により85〜90%にprimary cultureが成功するとされているが、現在までにはあまり成功していない。不成功の主な原因は、細菌感染と細胞の発育不良であるが、この問題については、ペニシリン、ストレプトマイシン以外に多数の抗生物質をカクテルとして使用する必要がある。抗生物質の処方は、M.D.Auderson病院より付与されたものを用いて、今後は実験する予定である。発育不良の点に関しても、各種ホルモンとepidermal growth factorをM.D.Anderson病院より付与されたので、これらのものを用いた培地を作製して、培養の成功率を高めていく予定である。臨床材料からのprimary cultureに対する放射線感受性と、抗癌剤に対する感受性テストの実際は、次年度に主に行なう。
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