1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480276
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
片山 仁 順天堂大学, 放射線医学教室, 教授 (80053007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 肇 産業医科大学, 放射線医学教室, 教授
富田 貴 順天堂大学, 放射線医学教室, 助手 (20188783)
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Keywords | ヨ-ド造影剤 / 副作用 / リスク因子 / 造影剤 |
Research Abstract |
ヨ-ド造影剤の副作用のリスク因子をイオン性造影剤169,284例、非イオン性造影剤168,363例を用いて解析した。副作用の全体の発現率はイオン性造影剤で12.66%、非イオン性造影剤で3.13%であった。重篤な副作用はイオン性で0.22%、非イオン性で0.04%であった。症例の背景因子による副作用発現率の解析結果、(1)性差:イオン性造影剤;男性で12.65%、女性で12.61%。非イオン性造影剤;男性で2.93%、女性で3.35%であった。(2)年齢:副作用全体をみると2つの造影剤とも20〜29歳の年齢層で副作用の発現が最も高かった。重篤な副作用ではイオン性造影剤では10〜19歳で最も高く、非イオン性造影剤では年齢による差はなかった。(3)副作用歴:イオン性造影剤では副作用歴があるもので44.04%、非イオン性造影剤で11.24%の発現率であった。重篤な副作用では夫々0.73%および0.18%であった。非イオン性造影剤においてはイオン性造影剤の約1/4の副作用発現率である。(4)アレルギ-歴:アレルギ-歴有りの症例ではイオン性造影剤23.35%、非イオン性造影剤で6.85%であった。重篤な副作用でみると前者で0.53%、後者で0.10%であった。これに対しアレルギ-歴無しのグル-プではイオン性で11.72%、非イオンで0.18%であった。重篤副作用は喘息例で目立った。(5)基礎疾患:重篤副作用は心疾患で目立った。(イオン性造影剤0.53%。非イオン性造影剤0.10%)。(6)造影剤の選択:リスク患者のイオン性造影剤に対するOdds ratioは0.707であった。各リスク因子にOdds ratioはアレルギ-歴0.789、副作用歴0.503、心疾患0.766であった。(7)リスク因子の重なりの影響:副作用歴の有無に影響されている傾向があった。リスク因子には患者のリスク、検査手技のリスク、および造影剤のリスクがある。今回の調査は造影剤の静脈内投与に限って調査したものであり、リスク因子として副作用歴アレルギ-歴、および心疾患を客観的に示し得たものと考えている。
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Research Products
(1 results)