1989 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄移植後の移植片対宿主(GVH)反応の発現機構の解析とその抑制
Project/Area Number |
01480296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南 陸彦 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60092342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 雅文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00183450)
十字 猛夫 東京大学, 医学部(病), 教授 (20009997)
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Keywords | GVH / Adhesion molecule / CD2 / ICAM-1 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本年度の研究計画中、ヒトでのアロ抗原特異的T細胞クロ-ンをいくつか確立した。これらのT細胞クロ-ンはMHCクラスIに対してはCD8T細胞、クラスIIに対してはCD4T細胞が対応している。GVH反応に対する治療は、これらのアロ抗原反応性T細胞の機能を抑制することであるが、今回、T細胞上、あるいは抗原提供細胞上に発現しているadhesion moleculesの内、CD2分子およびICAM-1分子の内機能的に重要と思われる部位に相当するペプチドを人工的に作成した。それらのペプチドがT細胞によるアロ抗原に対する増殖反応を阻止するかどうかを検討した。CD2分子の第一ドメイン中の46-53のアミノ酸に相当するペプチドLys Lys Lys Ile Ala Glu PheはMLRおよびアロ抗原反応性T細胞クロ-ンの反応をむしろ増強した。また、ICAM-1分子の第二ドメイン中のアミノ酸125-129に相当するペプチドArg Gly Glu Lys Gluによって、T細胞によるアロ抗原反応は阻止された。今後これらのペプチドの、GVHをおこしている患者由来のT細胞のアロ反応性への作用を検討する予定である。一方、マウスでのHLAクラスI抗原の相違によって生ずるGVHモデルの確立のため、HLA-B51およびHLA-Bw52遺伝子のトランスジェニックマウスの作製を試みた。C3Hマウス受精卵にHLA-B51およびHLA-Bw52 genomic genesを導入したところ、各遺伝子の発現が末梢血細胞で確認されたマウスを各1匹づつ得られた。そしてこれらのマウスは継代中であり、現在まで第4世代までその発現が確認されている。これらのマウスを使用して、GVH発症実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamamoto,J.,Tanabe,Minami,M.,Kano,K.,Takiguchi,M.: "Allo-class I-reactive CD4^-8^- T cell hybridomas recognize the conformational change of class I molecules resulting from the exchange of the α3 domain." Eur.J.Immunol.19. 1861-1865 (1989)
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[Publications] Takamizawa,M.,Juji,T.,Fujii,T.,Nieda,M.,Minami,M.: "Functional characterization of CD2^-3^+4^-8^-,TCRαβ^+T cell clones established from human peripheral lymphocytes."
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[Publications] Takiguchi,M.,Nishimura,I.,Hayashi,H.,Karaki,S.,Kariyone,A.,Takiguchi,M.: "The structure and expression of gen encoding serologically undetected HLA-Clocus antigens." J.Immunol.143. 1372-1378 (1989)
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[Publications] Sekimata,M.,Hayashi,H.,Nakayama,S.,Kano,K.,Takiguchi,M.: "Serological demonstration of HLA-Bw4/Bw6 on hybrid molecules between HLA-B35 and HLA-B51." Immunogenetics. 30. 229-231 (1989)