1989 Fiscal Year Annual Research Report
CSFを用いたOK-432刺激好中球の抗腫瘍活性増強法の試みに関する研究
Project/Area Number |
01480310
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐治 重豊 岐阜大学, 医学部, 教授 (80021400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 明彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90210674)
宮 喜一 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (10190729)
東 修次 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90167908)
種村 広巳 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60092946)
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Keywords | 癌性腹膜炎 / OK-432刺激好中球 / 腹腔内遊出好中球(PEN) / 好中球貧食能(CL活性) / 抗腫瘍作用 / 細胞障害活性(cytostatic活性) / G-CSF / KW2228 |
Research Abstract |
1.好中球のin vivo抗腫瘍活性(1)腹腔内遊出好中球数(PEN)の経時的変動:SD系雌ラットにOK-432(5KE/匹)ip投与後のPENはip後数時間以内に増加し、24時間目でpeak(20×10^6)に達した後、48時間目で半減したが、proteose-peptone(P-P)では12時間目にpeak(30×10^6)となり、48時間でも高値であった。(2)PENの貧食能(CL活性):PEN3×10^6あたりのCL活性はOK-432ip投与の場合は12時間目で、4979cpm.24、48時間目でもほぼ同様の高い活性が認められた。P-Pip投与の場合は12時間目で7087cpmとpeakに達した後、24時間目以降に著減し、48時間目では1573cpmと低下した。従って、48時間目のOK-PENのCL活性はP-P投与群のそれに比べ有意に高値であった。(3)細胞障害活性:OK-PENのMRMT-1腫瘍に対する^3H-Thymidine取り込み阻害率(cytostatic活性)はip後24時間でP-Pのそれに比べ有意の高値を示した。(4)in vivo抗腫瘍活性:SD系雌ラットに1×10^6個のMRMI-1腫瘍を移植すると平均14日で腫瘍死するが、5KE/匹のOK-432ip投与後48時間目に移植した場合、50日生存率は85.7%とP-P及び生食水投与群(それぞれ14.3%、0%)及び、OK-432ip後12、24時間目に移植した群の何れに比べても有意に延命した。また、ipあるいはSCへOK-432を投与後、経時的にMRMT-1腫瘍をSC移植した場合、生食水、P-P投与群に比べ約3〜10日目まで腫瘍増殖抑制を有意に認めたが、生存率に差はみられなかった。(5)形態学的観察:PENの菌体成分貧食後の変化を透過型電顕を用い経時的観察した結果、OK-432ip投与後、24時間以内に菌体成分を貧食、分解、消化して48時間目前後に抗腫瘍活性を獲得する可能性が示唆された。2.CSF、KW2228in vivo効果:SD系雌ラットにG-CSFあるいはKW2228を10ug/匹ip投与するとWBCは5〜11時間目に約2〜3倍、PBN比率は12.5%〜40〜60%と増加した。またPENはG-CSFおよびKW2228とも約2×10^7個遊出したが、そのpeakはG-CSFは9時間目に、KW2228では3時間目に観察された。
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