1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480316
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤野 豊美 慶應義塾大学, 医学部・形成外科, 教授 (20051279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 卓也 慶應義塾大学, 医学部・形成外科, 助手 (90186510)
今西 宣晶 慶應義塾大学, 医学部・形成外科, 助手 (00184820)
長谷川 時生 慶應義塾大学, 医学部・形成外科, 助手 (00180860)
福積 聡 慶應義塾大学, 医学部・形成外科, 助手 (90181289)
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Keywords | 創傷治癒 / 分子生物学 / プロコラ-ゲンα1(I)mRNA / ケロイド |
Research Abstract |
創傷治癒における分子生物学的機構を解明するために、まず正常の皮膚修復機構におけるプロコラ-ゲンmRNAの発現量の変化を、ラットを用いたin vivoの実験において検索した。また、病理組織学的解析も行なった。さらに、ケロシド組織および正常皮膚由来の線維芽細胞を培養し、TGFーβを培地に添加し、両者の反応についての比較的実験を行なうべく準備している。 1.ラット正常皮膚の創傷治癒におけるプロコラ-ゲンα1(I)mRNAの動態 ラット背部に5mm×5mmのマス目状の切創またはデルマト-ムによる剥皮創を作成、創治癒過程におけるプロコラ-ゲンα1(I)mRNAの発現量の変化をNorthen blotおよびDot blotにて検索した。受傷1〜3日目まではプロコラ-ゲンα1(I)mRNAの発現量は低下し、5日目ごろより増加しはじめ、7日目以後に正常レベルより上昇することが明らかとなった。この所見は、病理組織標本によるコラ-ゲン網再生の過程と一致していた。コントロ-ルとしてのβーactin mRNAの変化は創治癒過程ではみられず、プロコラ-ゲンα1(I)mRNAの変化は特異的と考えられた。 2.培養したケロイド由来、正常皮膚由来の線維芽細胞のTGFーβに反応するプロコラ-ゲンα1(I)mRNA発現量の変化 線維芽細胞を培養し、コンフルエントとなった後血清を除去、さらに24時間培養した上でTGFーβを添加、プロコラ-ゲンα1(I)mRNAの発現量を経時的(添加後0〜48時間)に検索中である。
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