1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480317
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石原 恒夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10051070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
橋詰 寿律 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00189474)
加藤 良一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00161133)
菊池 功次 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40129408)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051704)
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Keywords | 人工赤血球 / リポソ-ムヘム / 人工酸素運搬体 |
Research Abstract |
人工赤血球(リポソ-ムヘム)が肺において循環時間内に十分な酸素を結合しうるか、組織において酸素分圧の較差により結合した酸素を放出し、還元ヘムとなるか、ソポ-ムヘムが一定時間崩潰せずに酸素運搬体として機能しうるかをみるために以下の実験を行った。 体重8〜9kgのビ-グル犬を実験動物として用いた。全身麻酔を施したビ-グル犬の肺動脈内にSwanーGanz Catheterを留置、大腿動脈にAーlineを確保した後、ビ-グル犬の体血圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧、中心静脈圧、心拍出量、脈拍数、SaO_2、SvO_2、Hb、ピルビン酸、乳酸を測定した。ついで15mg/kg脱血(ビ-グル犬の循環血流量の20%に相当)、脱血30分後に、実験1ではリポソ-ムヘムを中心静脈内に15mg/kg注入、実験2ではリポソ-ムのみ15mg/kg注入、実験3では生食水15mg/kgを注入した。 脱血直後、脱血30分後、注入直後、注入30分後、60分後、90分後、120分後、180分後に先に挙げたparameterを測定した。 脱血30分後安定した時期の酸素消費量を100として、注入後の増加率をみると、リポソ-ムヘム注入例(実験1)では酸素消費量は注入直後181%、30分後188%となり他群に比して明らかに増加した。この増加分はヘムの増加によると思われた。O_2delivery(TO_2)もリポソ-ムヘム注入例では心拍出量の増加分を差し引いても他群に比して増加した。 脈拍数はリポソ-ムヘム例では、減少したが、他群では増加した。これはリポソ-ムヘム例ではStroke volumeの増加により心拍出量が増加したためと思われた。乳酸/焦性ブド-酸はすべての群で上昇した。 以上の結果から、リポソ-ムヘムは循環時間内において十分な酸素を結合し、組織において結合した酸素を分圧較差により放出することが分かった。
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Research Products
(1 results)