1991 Fiscal Year Annual Research Report
高分子素材(吸収.溶解および形状記憶性)の吻合管を用いた消化管吻合法の研究
Project/Area Number |
01480330
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
天野 富薫 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20112485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕司 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90200849)
赤池 信 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40184064)
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Keywords | 吻合管による消化管吻合法 / 溶解性吻合管 / 粘膜管重積吻合法 |
Research Abstract |
より確実な、容易に理想的な吻合状態になる消化管吻合法を確立する目的で本研究を行った。この溶解性の吻合管を用いる吻合方法は吻合部に加わる張力や内圧,内腔からの汚染から保護する目的と、新たに開発した粘膜管重積結紮吻合法により、消化管の各層別に合致した吻合状態を得る目的で考えられた。 (1)吻合強度が確保される時期まで管腔を保って、その後溶解し,排出に支障の無いような組成。形状に対して、後者は満足されたが、前者には、二重管(外層をスポンジ化)にして腸管通過障害を来すことはなかった。さらに分解して小片になるような工夫も安全上必要であろう。 (2)吻合状態の長期経過例での検討では、前年の短期例で見られた、各層が粘膜以下合致して、連続性が保たれ,吻合部の間に介在する結合織も少なく,瘢痕収縮による吻合部の狭窄も他の従来から行なわれている吻合法に比較して、最も秀れていた。特に最近繁用されるEEA器機吻合法は、臨床上も縫合不全が少ないが、組織学的には外膜側の結合織の癒合が主体で、瘢痕化する結合織も多く、各層の連続性もっていた。 (3)溶解性の物と、形状記憶の物を,内・外筒として吻合管を考えたが、後者の形状記憶性高分子材が90°C以上で拡張するので,臓器を保護する方法をいろいろ工夫したが解決出来ず,両者を組合わせることに関しては,失敗した。 (4)臨床的な応用は、回収などの問題があり今後症例をつみ結論を出したい。 この溶解性吻合管を用いた粘膜管重積結紮吻合法では、吻合部が保護され,消化管各層の連続性が保たれ,創傷治癒の経過も良いので,全身や局所の条件が悪い場合でも、他の吻合方法に比較して良好な吻合状態が認められた。
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Research Products
(1 results)