1990 Fiscal Year Annual Research Report
消化器手術に際してのビリルビンのantiーoxidantとしての意義
Project/Area Number |
01480331
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
石田 清 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80049767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 煕 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70013810)
山崎 順彦 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60220323)
栗原 茂勝 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90192038)
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Keywords | Bilirubinーalbumin / Monoclonal antibody / Enzymeーlinked immunosorbent assay |
Research Abstract |
1.非抱合型BR(UCB)に対して極めて特異性の高い単クロ-ン抗体(5M2)を作製し、その性状を検討した。 2.2種類のエピト-プの異なる抗BR単クロ-ン抗体(5M2および24G7)を用いたELISAによって、手術症例20例の術前、術後および非手術症例6例、健常対照者4例の血清および尿中測定値!経日的に比較検討した。 3.健常対照者の尿中に24G7にのみ反応するBR類縁物質と思われる物質が測定された(BR値に換算して約0.05〜0.07mg/dl). 4.手術症例20例中15例で最後早期(1〜7日)の血清測定値がジアゾ法よりも24G7を用いたELISAで高値を示した(ジアゾ法の約2〜7,8倍)。またELISA(24G7)による尿中測定値も高値を示した(健常対照者の約2〜4倍)。 5.非手術症例においては末期患者の乏尿、無尿期におけるELISA(24G7)での血清測定値の増加と尿中測定値の減少が見られた。また尿量が比較的良く保たれている非手術症例では、ELISA(24G7)において一過性の尿中測定値の増加が見られた。 6.5M2を用いたELISA値はいずれの場合にもジアゾ法による測定値と良く相関した。 7.以上の結果から、生体内に生じるBR関連物質が何らかのストレスにより増加し、尿中に排泄されるが、その排泄能が低下したときに血清中に増加するものと推測された。すなわち、BRは生体内での種々の酸化的ストレスに際してantiーoxidantとして活性酸素を解毒すると同時に、それ自身は酸化されて尿中に排泄されることが示唆された。
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[Publications] 岡村 維摩: "エピト-プの異なる二種類の抗ビリルビン単クロ-ン抗体を利用した血清ビリルビン及び尿中ビリルビン測定の臨床的意義" 埼玉医科大学雑誌. 17. 235-251 (1990)
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[Publications] 岡村 維摩,山崎 順彦,山口 登喜夫,菰田 泰夫,中島 煕: "Antiーbilirubin monoclonal antibody.III.Preparation and properties of monoclonal antibodies to unconjugated bilirubinーIXα" Biochimica et Biophysica Acta.
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[Publications] 山崎 順彦: "抗ビリルビン単クロ-ン抗体を利用した血清ビリルビン測定の臨床的意義" 埼玉医科大学雑誌. 15. 325-338 (1988)