1991 Fiscal Year Annual Research Report
胃粘膜防御機構の動態からみたストレス遺瘍発生機序と治療法の解明
Project/Area Number |
01480332
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶応義塾大学, 医学部・外科, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 憲孝 杏林大学, 医学部・第1外科, 助手
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Keywords | フリ-ラジカル / SOD(super oxide disuuties / 消去剤(Scevenger) / 虚血ー再潅流現象 / 急性胃粘膜病変 / 粘膜血流 / 人工血液 |
Research Abstract |
ラット腹腔動脈をミニクリップで1時間クランプ(虚血)し,解除(再潅流)後、経時的に病理組織像,酸・ペプジン分泌動態,粘膜辺流量,組識CoQ_<10>アニオンラジカル値(ESRにて測定)を施行した。また解除後30分前にSOD(super oxido disuutase)とcatalaseの消去剤を投与し,その効果を観察した。その結果、消去剤の投与により病変の重症度は軽度であり,胃粘膜病度の発症にフリ-ラジカルの関与が示唆された。 病理組識像をみると解除後,30分では重等な出血性病変を認め,3日目より上皮化が認められるようになり,7日目で完全に治癒を示した。 酸・ペプジン分泌動態は再潅流時が有意に最底値(p<0.05)を示し,その後次第に改善を示し,7日目で両者とも前値に復した。 粘膜血流は虚血時が最底値(p<0.05)を示し,再潅流時は増加したが、前値までは回復せず,2日目で前値まで改善した。 CoQ_<10>アニオンラジカル値は虚血時で有急に低値となり,組識虚血の指標となりうることが想定された。 以上の成績からみると急性胃粘膜病変の発生機序は虚血・再潅流によるフリ-ラジカルの関与が多大であり,SOD,catalase,vitEなどの消去剤の投与が病変の増悪化を抑制することも,本発生機序を支持するものと考えられた。 急性胃粘膜病変発症の予防に対し人工血液を用いる考えは今までに報告はなく,ミニクリップのクランプに代わり、脱血ショックモデル(体重の2%,1ml/10sec)を作成した。脱血量の1/2量を自家血,生食,人工血液で経動脈的に還流したところ,病変の程度に差は認められなかった。そこで胃粘膜局所に投与(経口投与)を行ったところ,人工血液で発症が軽度であった。これはChemiluminescamclの測定で有急に人工血液胃内投与群が低値であり,消去剤としての作用が認められた。
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[Publications] Kitajima.M,et al.: "Grastric Microcirculation and lts Reyulating Factors in Stress" J.Clin Gastraenterol. 13. 9-17 (1991)
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[Publications] 北島 政樹: "外科手術後のストレス潰瘍発性予防の試み" Modern Physician. 11. 98 (1991)
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[Publications] 北島 正樹: "他疾患に合併する胃潰瘍" Medicament News. 1318. 33-35 (1991)
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[Publications] 中島 正暢,北島 政樹: "糖尿病ラットにおける胃粘膜脆物化因子の検討" Proy.Med.11. 555-558 (1991)
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[Publications] 大塚 新一,北島 政樹: "消化性潰瘍におけるstress responding markerの検討" 復部救急診療の進歩. 11. 127-130 (1991)
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[Publications] 青木 照明,北島 政樹: "術後酸分泌元進い対するファモチジン注の抑制効果" 医学と薬学. 25. 233-242 (1991)
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[Publications] Kitagima,M et al: "Jramtiers of Mucosal Immuuology" Excerpta Medica,Amsterdam, 4 (1991)
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[Publications] 北島 政樹: "消化管出血ー今日の検査指針ー" 医学書院, 3 (1991)