1989 Fiscal Year Annual Research Report
胃全摘後の再建術式が胃癌手術の遠隔成績に及ぼす影響ー空腸Pouchの効果に関する研究ー
Project/Area Number |
01480335
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
日置 紘士郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60077641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 義文 関西医科大学, 医学部, 助手 (30173264)
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 講師 (60155778)
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Keywords | 胃全摘術 / 空腸Pouch / quality of life |
Research Abstract |
70才以下の胃癌全摘例で術中治癒切除と判断した症例を対象に、再建術式を従来のRoux-Y法、空腸Pouch作成Roux-Y法、Pouch作成Interpositionの3群に分けrandomized studyを行なっている。術後のquality of lifeの指標として経口摂取量(術前健康時摂取量との比較)、摂取回数、体重の変動(術前体重比)、術後愁訴および免疫能を検討した。 現在までに15例が対象となり再建術式別ではRoux-Y法6例、Pouch・Roux-Y法6例、Pouch・Interposition3例である。このうちPouch作成例の1例は術後1カ月以内にえん下性肺炎のため死亡、もう1例は術後7カ月経過例であるが腹膜再発を認めている。再発徴候のない6カ月以上経過例は11例でRoux-Y法6例、Pouch・Roux-Y法4例、Pouch・Interposition1例である。 Pouch作成例では全例術前の70〜90%の経口摂取(1回量)が可能であり、一方Pouch非作成例では6例中3例が50%程度の摂取量であった。術前体重比もPouch作成群は90%以上と比較的良好であった。術後愁訴に関してはほとんど差を認めず、また免疫学的な検討では現在までのところ特に差を認めていない。 以上少数例での検討結果ではあるが、Rouchを作成することにより一回摂取量の増加が期待でき体重の減少も少ないものと考えている。更に症例の追加と術後長期の経過観察が必要である。また全摘後の消化吸収障害として脂肪の吸収障害が指摘されているが、この1つの指標として現在血清の必須脂肪酸を測定中である。
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