1989 Fiscal Year Annual Research Report
右心バイパス手術(フォンタン手術)に関する実験的研究
Project/Area Number |
01480345
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
内藤 泰顕 和歌山県立医科大学, 脳部外科学教室, 教授 (20180226)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 有作 和歌山県立医科大学, 胸部外科学教室, 助手 (40187927)
|
Keywords | フォンタン手術 / グレン手術 |
Research Abstract |
Fontan術後の血行動態に与えるBi-directional Glenn術の効果を検討するため三尖弁閉鎖のモデル作成を行なった。方法は雑種成犬(8〜15Kg)を用いて奇静脈より頭側で上大静脈を一時的に遮断、切離する。次いで右肺動脈と切離した上大静脈とを端ー側吻合する。次に、上大静脈と右房を人工血管(φ8〜10mmPTFE)で連結する。こうすることにより遮断部位を選択することによって上大静脈の血流を、右房のみ、右肺動脈のみ、両肺動脈へと瞬時に変更できるようにした。左鎖骨下動脈送血、上、下大静脈脱血で体外循環下(常温、流量120ml/kg/min)に三尖弁尖を直接閉鎖を行ない、右室はVentingを行なった。肺動脈分岐部と右心耳を人工血管(ψ10mmPTFE)を用いて連結した後、体外循環より離脱する。離脱後(1)大腿動脈圧(2)右房圧(3)左房圧(4)肺動脈圧(5)上行大動脈血流量(6)肺動脈血流量(7)心電図(8)超音波クリスタロイド・トランスデュ-サ(右房前面と後面に縫着し右房径をリアルタイムで測定)(9)動脈血ガスを測定する。雑種成犬7頭を用い以上のごとくモデルの作成を行なってきたが、体外循環よりの離脱が困難で現在のところ評価するに足る症例が得られていない。しかし手技の習熟とともに成功例も得られる見通しがつき今後安定したモデル作成が得られる見込である。また生存犬の比率を上げるため吻合部を極力減らして手技を簡略化し、術後の血行動態の評価に修飾を加えると考えられる因子を最小限にするため補助手段として体外循環法を使用しない右心バイパスモデルも並行して作成中であり次年度中には一連のデ-タが得られる予定である。
|