1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝 和郎 京都大学, 医学部, 講師 (70144368)
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Keywords | Aneurysm / Embolization / Detachable balloon / Intravascular Surgery / Interventional Radiology / Carotid Cavernos Sinus Fistula |
Research Abstract |
開頭手術で治療困難な脳動脈瘤の塞栓術に対して人工塞栓術が行なわれようになってきた。この人工塞栓術に対してカテ-テル先端の風船が切り離すことのできる離脱型バル-ン・カテ-テルが用いられる。動脈瘤内で切り離された風船は切り離した後でも縮小や膨張があってはならず、そのままの形状を保っておかねばならない。このために風船の中に硬化する液体材料を注入し、これが硬化したのち風船を切り離す方法がよく用いられている。この材料にはhydroxyethylmethacrylate(HEMA)が用いられているが現行のものでは硬化に要する時間が4-7分と速いため、風船をまず造影剤で膨張し瘤内に誘導したのち造影剤とHEMAを置換する方法が行なわれていた。しかしカテ-テルの死腔が問題となり小さな動脈瘤では塞栓できないという不都合が起こる。そこでHEMAの重合系を改良し硬化時間を延長させた。つまりHEMA単量体80ml、butanedioldimethacrylate 0.8ml、glucose1.4g、H_2O_2 2ml、FeCl_3 3.2x10^<-4>g、ascorbic acid 0.4g、glucose oxidase 2000unitsとiopamiron 57mlの混合液を作製した。この混合液は最初の20分間流動性が十分有り、2-3Frのカテ-テルでも十分に出し入れが可能である。このあいだに動脈瘤内に風船を誘導したのち所定の大きさに膨らませあと75分間待機する。この間にHEMAは完全に硬化し切り離された風船は半永久的にそのままの形状を保持する。In vitroの実験に引き続き成犬に作製した頸動脈内頸静脈瘻にたいしてこの新しい配合のHEMAを用いて塞栓術を行なった。切り離された風船は形状を保ち瘻の閉塞は1週後の血管造影でも保たれていた。成犬10頭での実験では極めて良好な結果をえたので年次度は臨床応用を考えている。
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