1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480365
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
富田 勝郎 金沢大学, 医学部, 教授 (00092792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 賢朗 金沢大学, 医学部付属病院, 医員
安竹 秀俊 金沢大学, 医学部付属病院, 医員
森川 精二 金沢大学, 医学部付属病院, 医員
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / 抗癌剤感受性試験 / MTT / SDI法 / 吸光度 / ヒト骨肉腫培養細胞株 / エトポサイド |
Research Abstract |
MTTはテトラゾリウム塩の一種で、生細胞内の脱水素酵素により還元され、暗青色のホルマザン結晶に変化する特徴を有する。MTTassayはこの性質を利用し、96穴マイクロプレ-ト、マイクロプレ-トリ-ダ-を用いて吸光度を測定し、生細胞の指標とする。我々は骨軟部悪性腫瘍に対する抗癌剤感受性試験としてのMTTassayの有用性を検討するため、本年度は培養細胞株を用いて基礎的検討を行なった。用いた細胞株はヒト骨肉腫由来培養細胞株であるOST,HOS,MNNG-HOS,MG63,KHOS-240S,KHOS-321H,KHOS/NP,G292,SKES-1,U-2OS,SAOS-2の11種である。まず、細胞数とホルマザン塩の吸光度の相関を検討した。いずれの細胞株においても細胞数が1×10^3〜1×10^5の範囲内において細胞数は吸光度と良く相関した。次に種々の播種細胞数において1〜10日間培養し、吸光度を測定した。5×10^3、1×10^4を播種したものは吸光度は3日目でプラト-に達した。1×10^3を播種したものはプラト-に達するのに7日間を要し、2×10^4を播種したものは1日目でプラト-に達した。これらの結果より播種細胞数を1×10^4個、培養日数を3日間として各細胞株に対する抗癌剤の効果を検討した。抗癌剤の濃度は臨床投与量における理論的最大血中濃度、およびその1/10とした。最大血中濃度では従来より骨肉腫に有効とされているシスプラチン、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド等の感受性が高く、また骨肉腫に対して有効性の報告されていないエトポサイドが高い感受性を示した。しかし1/10最大血中濃度ではこれら薬剤も感受性は低く、最大血中濃度における効果判定が適当と考えられた。現在臨床材料について検討中である。
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