1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480387
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
広井 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (60018364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文彦 山形大学, 医学部, 助手 (90187229)
斉藤 英和 山形大学, 医学部, 助手 (90125766)
藤森 克彦 山形大学, 医学部, 助手 (80165430)
大野 勉 山形大学, 医学部, 助手 (40191944)
川越 慎之助 山形大学, 医学部, 講師 (10018880)
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Keywords | 卵胞発育 / 卵子成熟 / 卵胞刺激ホルモン抑制物質 / 卵グルコ-ス代謝 |
Research Abstract |
卵胞液中のステロイドの測定は体外受精の採卵時の卵胞液にて施行したが、採卵された卵の成熟度より卵胞液を成熟群、未熟群に分類すると、まず卵胞液量では成熟群が多かった。エストラジオ-ルにおいても成熟群に高く、プロジェステロンについても成熟群に高値を示した。しかしテストステロンは未成熟群に高値を示した。このことより卵胞が成熟するにつれてテストステロンからエストロジェンへのアロマタ-ゼ活性が上昇し、さらにまた排卵直前には卵胞液中プロジェステロンは他に比較し高濃度となっていた。またこの卵胞液を用いてチャコ-ルにてステロイドを除去した後、卵胞刺激ホルモン(妊馬血精性性腺刺激ホルモン:PMS)への影響について検討した。処理した卵胞液とPMSを同時に幼若雌マウスに投与し、24時間後にその卵巣重量、排卵数について検討したが、未熟卵胞群、成熟卵胞群の両方ともに卵巣重量の増加と排卵数を抑制した。さらにその抑制度は成熟群に高かった。このことより卵胞液中には卵胞刺激ホルモンを抑制する物質が存在し、卵の成熟が増すにつれその抑制度も強くなった。卵のエネルギ-代謝については、初期にはピルビン酸以下の解糖系のみが働いており、グルコ-ルを使用できるのは8細胞以後であるとの報告もあったが、卵のグルコ-スの存在量、摂取を検討してみると卵胞内卵ではギャップジャンクションを介して、顆粒膜卵細胞よりグルコ-スが輸送されており、このギャップジャンクションが切れるにしたがい卵のグルコ-ス量は減少した。しかし受精すると卵のグルコ-ス量は上昇しさらに4細胞期までは軽度の上昇を認めさらに8細胞以後では急速な上昇となった。このことはグルコ-スは卵が成熟、受精、発育するにつれて著しく変動することを示しており、今後これを詳しく検討することにより卵の成熟機構や受精能力、発育能力について検討できる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawagoe.S.,Hiroi,M.: "Further Evidence that Prolactin Controls the Prepubertal Sexual Development in the Female Rat" Gynecologic and Obstetric Investigation. 27. 197-200 (1989)
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[Publications] Fujimori,K.,Hiroi,M.,et al: "Quantitative Determination of Follicle Size Distribution in the Guinea Pig Ovary after Hemicastration and PMSG treatment" Jounal of Endocrinol.Japan.36. 175-185 (1989)
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[Publications] Takagi,J.,Araki,Y.,Hiroi,M.,et al: "The Development of porcine Zona Pellucida Using Monoclonal Antibodies:I.Immunochemistry and Light Microscopy" Biology of Reproduction. 40. 1095-1102 (1989)
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[Publications] Takagi,J.,Araki.Y.,Hiroi,M.,et al.: "The Development of Porcine Zona Pellucida Using Monoclonal Antibodies:II.Electron Microscopy" Biology of Reproduction. 40. 1103-1108 (1989)
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[Publications] Saito,N.,Hiroi,M.et al: "Estrogen-Binding Protrin in Blood and Follicular Fluid,and Its Biochemical Properties in Human Females" Gynecologic and Obstetric Investigation. 28. 87-93 (1989)
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[Publications] Saito,N.,Hiroi,M.et al: "Existence and Biochemicsl Analysis of Estradiol Binding Protein(E_2BP)in Normal Menstrual Cycle" Steroids. 52. 383-384 (1988)