1991 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンレセプタ-の生物学的意義と臨床応用に関する研究
| Project/Area Number |
01480390
|
|---|
| Research Institution | Gifu University |
|---|
Principal Investigator |
玉舎 輝彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (70079870)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 篤志 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40193643)
|
|---|
| Keywords | エストロゲン作用 / エストラジオ-ルレセプタ- / エストリオ-ルレセプタ- / 生物学的意義 / 臨床応用 |
|---|
| Research Abstract |
エストロゲン作用には、細胞増殖と細胞機能分化とに分けられる。またいわゆるエストロゲンの中には主に細胞増殖作用の強いエストラジオ-ルー17B(E_2)と細胞機能分化と関係し、抗E_2作用を発揮するエストリオ-ル(E_3)とがあると考えられる。E_2やE_3にそれぞれ特異的なレセプタ-(E_2RとE_3R)が独立して存在することを明らかにしてきた。このような違いが、生殖生理、腫瘍内分泌においてどのように反映されるかを検討した。(1)エストロゲンにはE_2RタイプIとタイプIIとがあり、前者は増殖、後者は分化と関係すると考えられる。ヒト単球・マクロファ-ジは主にエストロゲンの機能分化的標的であり、E_2RタイプIとタイプIIとが存在する。臨床的に免疫機能を抑制するダナゾ-ルは、生体やin vitroで、両結合部位を減少させ、特に機能面を有するタイプIIを減少させ、特に機能面を有するタイプIIを減少させることに一致する。in vitroで単球のサイトカイン(インタ-ロイキンー1B,TNF)の産生をエストロゲンやプロゲステロンは生理的濃度では促進するが、高濃度では抑制する。一方、アンドロゲン作用も有するダナゾ-ルは濃度依存性にこのサイトカイン産生を減少させる。(2)エストロゲン依存性発育する腫瘍に対して、増殖抑制作用をする黄体ホルモン剤酢酸メドロキシプロゲステロンは、抗E_2作用を発揮しE_2RやE_3Rを減少させることがウサギ子宮で確かめられた。(3)雌ウサギで確認されたように、E_2R、E_3Rは雄ウサギでも広く、各種臓器に存在していて、E_2やE_3は何らかの生物学的影響を及ぼしていると考えられる。心血管系、骨格筋でのE_2R、E_3Rを雌雄差で検討したところ、部位別差が生じており、これらがヒトで心血管疾患の発症部位差、骨格筋の発育に男女差の生じることと関連する可能性が考えられる。
|
-
[Publications] Teruhiko Tamaya,et al.: "Rationale for frequency and dose of administration in gestrinone therapy for pelvic endometriosis in the experimental model of rabbit uterus" Gen.Pharmac.22. 505-510 (1991)
-
[Publications] Kohji Iida,et al.: "Stimulatory effects of estrogen on gonadotropinrーreleasing hormoneーinduced phosphoinositide turnover in granulosa cells" J.steroid Biochem.Molec.Biol.38. 583-586 (1991)
-
[Publications] Atsushi Imai,et al.: "Sex steroids endance endotoxinーstimulated phospholipase A_2 activity in hum endometrial cells" Arch.Gynecol.Obstet.249. 129-134 (1991)
-
[Publications] Hidehiro Mori,et al.: "Effects of sex steroids on immunoglobulin M production by EpsteinーBarr virusーtransformed Bーcell line SKW6ーCL4" J.in Vitro Fertilization and Embryo Transfer. 8. 329-335 (1991)
-
[Publications] Teruhiko Tamaya,et al.: "Direct interaction between human endometrial carcinoma and fibroblast: Fibroblastーderived growth factor" Research Communications in Chemical Pathology and Pharmacology. 73. 367-370 (1991)
-
[Publications] Yasuhiro Yokoyama,et al.: "Norethindrone scatters silverーstained nucleolar regions of Ishikawa cells" Cancer Research. 51. 5987-5992 (1991)
