1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480391
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 洋一 京都大学, 医学部(産婦人科), 助教授 (50115911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰己 賢一 京都大学, 医学部(産婦人科), 助手 (00207060)
内海 恭三 京都大学, 農学部(畜産科・家畜繁殖), 助教授 (90033266)
森 崇英 京都大学, 医学部(産婦人科), 教授 (90026865)
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Keywords | 胚・体細胞共培養 / ハムスタ-卵管培養 |
Research Abstract |
今年度は当初の計画に従って(1)卵管上皮とマウス胚との共培養を行い、胚発生に及ぼす効果を検討し、(2)ついでこの効果が如何なる分子種よるものであるのかについて検討した。『結果』マウス卵管由来細胞の培養は当初予期した以上に困難で本研究ではハムスタ-卵管組織との共培養を行った。マウス前核期胚を用いて共培養を行うと培養開始後96時間の時点で基本培養条件を用いた対照群の胚盤胞率か4.4%(8/182)であったのに対し、共培養を行った実験群では22.4%(46/109)であり有意に発育促進効果が高かった。同様にday2に回収した2細胞期胚を用いて同様の共培養実験を行ったところ孵化胞胚率は対照群で27.1%(54/199)、実験群で36.5%(72/197)であり共培養群における有意な発育促進効果が認められた。更に同様の実験を桑実期胚を用いて行ったところやはり同様の促進効果が認められた。この共培養による促進効果の性質を明らかにする為に、ハムスタ-卵管組織を用いてconditioned mediumを作製して前述の共培養と同様の実験を行ったが、どの様な時期の胚を用いても促進効果は認められなかった。その際、conditioned mediumを作製するのに要した日数が長くなる程以後の培養成績は低下した。ついで、胚一卵管組織相互作用によってのみ産生される促進因子の存在を想定して共培養後の培養上澄を用いてマウス前核期胚を培養したが、何等促進効果は認められなかった。『まとめ』以上の結果から以下のことが明らかになった。1)卵管組織と胚との共培養により胚発育促進効果が得られた。2)この促進効果は生きている体細胞と共培養を行った時にのみ認められ調整培地では認められなかった。3)調整培地を作製する時に用いた時間が長時間になる程胚培養効率は低下する事から、基本培養条件下(5%CO_2 in air)にて変質する様な機構、例えば自動酸化等による培地中の成分の変化等か推定された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 野田洋一,松本央,森崇英: "“Superoxide Dismutase によるマウス2-Cellブロックの解除"" 日本産科婦人科学会雑誌. 第41巻6号. P751-752 (1989)
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[Publications] 松本央,野田洋一,馬岡陽,森崇英: "“Superoxide Dismutase によるマウス2-Cell blockの解除"" 日本不妊学会雑誌.
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[Publications] 馬岡陽,野田洋一,松本央,森崇英: "“マウス前核期胚培養における酵素毒性の影響"" 日本不妊学会雑誌.
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[Publications] 馬岡陽,野田洋一,森崇英: "“SOD添加低酸素下培養で得た胚盤胞の子宮内移植成績"" 日本不妊学会雑誌.
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[Publications] 馬岡陽,野田洋一,森崇英: "マウス2細胞期以後の胚発育に及ぼすSOD添加低酸素下培養の効果"" 日本不妊学会雑誌.
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[Publications] 野田洋一,成本勝彦,都倉隆,野々垣多加史,井田憲司,辰巳賢一,夏山知,岸淳二,森崇英: "胚・体細胞相互作用の解析" 日本不妊学会雑誌.
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[Publications] Y.NODA: "Involvement of superoxide radicals in mouse 2-cell block phenomenon" J.Exp.Zool.