1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480392
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 侃 大阪大学, 医学部, 講師 (90093468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 直樹 大阪大学, 医学部, 講師 (90135690)
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Keywords | EGF受容体 / 卵巣癌 / メッセンジャ-RNA / 細胞培養 |
Research Abstract |
1.平成元年度は年初の報告通り主にNorthern blottingの改良を行なった。主な改良点は、(1)細織あるいは培養細胞からのRNAのisolationの方法を従来のguanicline phot phenol法からより変性を少なくRNAを抽出し得るguanidine Cs-Cl法に変更した。(2)isolateされたRNAの定量法を従来のO.D.260nmとO.D.280nmの2ポイント測定からscanによる方法で定量し、同時に質的な判定も可能とした。(3)Dot blotting時には従来のtotal cellular RNAを直接使用しても十分良好な結果が得られてきたが、Northern blottingにはisolationが不十分であると思われるので、total RNAをpoly(A)^+カラムを通すことにより、messenger RNAのみを抽出し、このmessenger RNAを用いてNorthern blottingを施行中である。現在poly(A)^+カラムを用いて十分高率にmessenger RNAをisolateすることができるようになっている。 2.Northern blottingの方法の改良とともに、手術時得られた卵巣癌組織を用いてprimary cell culture系を作り、EGF受容体についての検索、そのmessenger RNAの発現についての検討(NorthernおよびDot blotting)とともにEGFの生物作用(細胞の増殖や分化に対する促進あるいは抑制作用の有無、さらに臨床上重要な腫瘍マ-カ-についての作用など)についての検討を行ないつつある。最近Kuramochi株をはじめ数種の卵巣癌のcell-lineを入手し、これらcell-line系培養においても同様の検討を予定している。すでにKuramochi株には特異的なEGF受容体が存在することは確認した。 3.臨床例については今までの28例に加えて平成元年度も数例の追加があった。これらも徐々に予後が判明しつつあるので今後もさらに追跡予定である。
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