1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480393
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺川 直樹 大阪大学, 医学部, 講師 (90163906)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲村 弘子 大阪大学, 医学部, 助手 (80195685)
|
Keywords | 実験的子宮内膜症 / 内分泌療法 / ゴナドトロピン作働薬 / ダナゾ-ル |
Research Abstract |
子宮内膜症治療薬剤の効果と作用機序を明らかにするとともに薬剤併用療法による内膜症治療成績の向上の可能性を検討した。治療薬剤の効果を適確に反映する内膜症の実験モデル作製のため、9週齢のSD系ラットを用い5mmの子宮内膜片を左腎皮膜下に自家移植した。移植2週後に内膜の生着を確認したのち、去勢またはゴナドトロピン作働薬であるリュウプロライド徐放剤1mg/kgの皮下単回投与、ダナゾ-ル100mg/kgの21日間経口投与、あるいはリュウプロライドとダナゾ-ルの併用投与を行った。投与3週後に移植内膜のサイズを測定するとともに血中ゴナドトロピンとE_2、下垂体GnRH受容体を測定した。卵巣ならびに子宮重量も併せて測定した。その結果、去勢群では11例中10例(91%)に、リュウプロライド群では20例中13例(65%)に、ダナゾ-ル群では20例中9例(45%)において移植内膜は著しく縮小した。次にリュウプロライドとダナゾ-ルを併用投与すると、14例中13例(93%)において著明萎縮をきたし、リュウプロライドあるいはダナゾ-ル単独投与群において得られた成績を有意に上回った。リュウプロライドは下垂体GnRH受容体数を著明に低下させ生物活性を有するゴナドトロピン産生を抑制する結果、血中E_2レベルを低下させ移植内膜を萎縮させることが明らかとなった。一方、ダナゾ-ルは血中E_2レベルを低下させなかったことより、移植内膜に直接作用して萎縮させると考えられた。以上の実験的子宮内膜症モデルを用いた成績より、異なった作用機序をもつゴナドトロピン作働薬とダナゾ-ルの併用療法による内膜症治療の可能性が示された。
|