1989 Fiscal Year Annual Research Report
正常および内リンパ水腫モルモット血管条のレクチン結合部位
Project/Area Number |
01480408
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Keywords | モルモット / 内リンパ水腫 / 内耳 / 血管条 / レクチン / 内リンパ / 吸収 / 分泌 |
Research Abstract |
レクチンは特定の糖と特異的に結合する蛋白あるいは糖蛋白で、免疫学的産物でなく、糖結合部位を2つ以上有し、その活性が単糖やオリゴ糖など簡単な糖で阻害されるものと定義されている。細胞や組織に存在する複合糖質は細胞の分裂や分化の調節、自己非自己の認識、物質の輸送、レセプタ-関与による細胞の活性化など多くの機能を持っており、レクチンにより、糖鎖の分析が可能である。内リンパのイオン組成の維持調節に深く関与していると考えられている血管条において、レクチンを用いた研究は少ない。血管条が内リンパの吸収産生に、どの様に関与しているか明らかにする目的でSoybean agglutinin(SBA)、Helix pomatia agglutinin(HPA)、Ricinus communis agglutinin-II(RCA-II)、Limax flavus agglutinin(LFA)、Wheat germ agglutinin(WGA)の5種のレクチンを用い、Lowicry1 K4Mに包埋した超薄切片でcolloidal goldを標識とし、電子顕微鏡的に明らかにした。LFAは辺縁細胞腔側形質膜に反応はみられず、基底陥凹部と、血管内皮基底膜に反応がみられた。WGAは全ての細胞の形質膜に反応がみられた。SBA、HPA、RCA-IIは、辺縁細胞腔側のmicrovilli及び飲小胞開口部の形質膜と、一部の核上部小胞及びendosomeの限界膜に反応がみられ、これらは同じ性質を持っていると考えられた。即ち、これらの膜は、invaginationから小胞を経由してendosomeに到る吸収機能とendosomeから小胞を経由して内リンパ腔に到る分泌機能の両者に関与していることを示唆している。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 小川恭弘: "Zー100の抗腫瘍効果に関する実験的研究 第2報 放射線治療とZー100の長期間投与の併用効果について" 日癌治. 24. 51-56 (1989)
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[Publications] Taniguchi,H.: "Production of anti-insulin monoclonal antibody and its application to immuno-assay of insulin and immunohistochemistry" Diabetes Res.Clin.Pract.6. 9-15 (1989)
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[Publications] Seguchi,H.: "Three dimensional observations of the palisade-shaped nerve endings of normal hair of rat's snout" Anat.Anz.169. 225-234 (1989)
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[Publications] 小林俊博: "内耳蝸牛管壁におけるtrimetaphosphatase活性の局在について" Equilibrium Res.Suppl.5. 65-71 (1989)
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[Publications] 瀬口春道: "モルモット血管条のレクチン結合部位" Equilibrium Res.Suppl.5. 78-83 (1989)
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[Publications] 瀬口春道: "新生毛細血管の形成における細胞外基質と内皮細胞の働き" Mebio. 7. 128-129 (1990)
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[Publications] Ogawa,Y.: "Application of the immunohistochemical method as a predictive assay in radiotherapy of squamous cell carcinoma of oropharynx and hypopharynx" Oncology. 47. 155-159 (1990)
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[Publications] 瀬口春道: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 10 (1988)
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[Publications] 小林俊博: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 7 (1988)
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[Publications] 岡田暉彦: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 5 (1988)
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[Publications] 小林俊博: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 7 (1988)
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[Publications] Zhang,S.X.: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 12 (1988)
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[Publications] Zhang,S.X.: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 12 (1988)
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[Publications] 瀬口春道: "文部省科学研究費 移行上皮細胞の細胞膜と細胞骨格の免疫組織細胞化学的研究研究班 昭和63年度研究報告書" 瀬口春道, 3 (1988)
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[Publications] 瀬口春道: "厚生省特定疾患 前庭機能異常調査研究班 昭和63年度研究報告書" 北原正章, 4 (1989)
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[Publications] 瀬口春道: "厚生省特定疾患 前庭機能異常調査研究班 昭和63年度研究報告書" 北原正章, 4 (1989)
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[Publications] 小川恭弘: "がん治療のあゆみ" 癌徳化学療法社, 10 (1989)
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[Publications] Kamiike,O.: "Hyperthermic Oncology 1988" MAG.Bros.Inc., 2 (1989)
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[Publications] Seguchi,H.: "Histochemistry and Cytochemistry 1989" Chinese Society for Histochemistry and Cytochemistry, 2 (1989)
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[Publications] 瀬口春道: "組織細胞化学の技術、細胞膜" 朝倉書店, 7 (1989)
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[Publications] 瀬口春道: "組織細胞化学の技術、細胞膜" 朝倉書店, 14 (1989)