1989 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性網膜変性疾患の原因解明のための分子生物学的研究
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01480413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 満 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80180272)
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Keywords | 遺伝性網膜変性症 / 網膜色素変性症 / 網膜特異的cDNAクロ-ン / 分子生物学 |
Research Abstract |
網膜色素変性症に代表される遺伝性網膜変性疾患は大部分が原因不明であり、従って我々は現在のところ有効な治療法を持ちあわせていないのが現状である。これまで本疾患群の原因解明のための形態学的、生理学的な数多くの研究がなされてきたが、その根本的な原因が遺伝子という我々が未だ完全に理解していない領域にあるため、それぞれの手法に限界があり、その原因を理解するに至っていない。そこで本研究は新たに分子生物学的手法を導入し本疾患群の原因解明のひとつの手がかりを得ることを目的とする。本疾患を持つ患者の大部分は臨床的に他の身体部位に異常がなく網膜だけに異常が限局していることから、このような疾患においては網膜に特異的に発現する蛋白質が遺伝子的に異常をきたしているものと考えられる。そこで本年度はまず網膜に特異的に発現する蛋白質をその遺伝情報をコ-ドした形すなわちcDNAとして分離することに主眼をおきその準備を行った。まずサルの脳と肝臓からグアニジンチオシアナイド処理により全RNAを分離し、ついでオリゴdTセルロ-スを用いてmRNAを分離、精製した。その収率は期待された量の約10%にとどまっていたため、精製段階において何らかの操作ミスがあったものと推定された。この初期段階での低収率はその後の実験に与える影響が多大であるため、ヒト脳mRNA精製標品を購入することにより、精製に費やす時間を節約することとした。現在このヒト脳mRNAを用いてcDNAを合成し、すでに入手してあるヒト網膜由来cDNAライブラリ-をスクリ-ニングすることにより網膜特異的cDNAクロ-ンを分離すべく準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Haseba,et al.: "Molecular cloning of protein synthesized by alkaliーburned rabbit corneas." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 403 (1989)
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[Publications] Y.K.Durlu,et al.: "Glucose-6-phosphatase system in the rabbit cornea." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 288 (1989)
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[Publications] T.Shiono,et al: "Immunocytochemical locarization of ornithine aminotransferase in human ocular tissues." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 308 (1989)
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[Publications] T.Mito,et al.: "Immunocytochemical localization of ornithine aminotransferase in human ocular tissues." Arch.Ophthalmol.107. 1372-1374 (1989)
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[Publications] 中沢満(分担): "ベッドサイド眼科学(分担部位)色覚の生理・心理物理学" 南江堂, 600 (1990)
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[Publications] 中沢満,玉井信(分担): "糖尿病の実践的治療(分担)眼合併症" 医薬ジャ-ナル, (1990)