1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480415
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
稲富 昭太 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (90124742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角屋 博孝 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40169537)
永田 啓 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90164433)
山出 新一 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40117916)
佐々本 研二 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80112514)
可児 一孝 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60068476)
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Keywords | 斜視 / タウリン / セロトニンニュ-ロン / 網膜Y細胞 / 網膜X細胞 / 眼球運動 / 磁気共鳴装置 / 麻痺性斜視 |
Research Abstract |
平成元年度に引続き、主として基礎医学における研究法を応用して両眼視の研究と斜視の病態解明に取組んだ。その成果を前年度同様、解剖学的研究と神経生理学的研究に分けて報告する。 1解剖学的研究 斜視や弱視においては網膜視細胞レベルの変化はないとされているが、視覚に重要な役割を果たしているtaurinを免疫組織学的に研究した結果ではやはり変化は検出できなかった。(図書1) 視覚の中継点である外側膝状体は斜視や弱視で細胞レベルでの変化が起ることはよく知られているが、実験時に視神経障害を与えたときに中枢にどのような変化を起こすかについて病理解剖学的に検討中であるがまだ結論を出すに至っていない。研究続行中(論文未完成) 斜視における視中枢での変化は最も重要であり、特に生後の視覚発達が重要である。弱視における視覚発達遅延を検討するために発達途上に出現するセロトニンニュ-ロンの局在を二重標識法により検討し、これら視覚形成に関係することを確認した。(論文3) 2神経生理学的研究 (1)心理学的手法により視覚のOFF効果、特に色覚機構依存性について検討した。(論文1,2) (2)眼球運動系の研究 年々性能の向上しているMRIにおいてCine Modeで眼球運動を記録することに成功したので、これを用いて正常者において眼球の回旋点の計測,決定,外眼筋の収縮,視神経の動きなどの画像解析をすすめている。臨床応用として斜視、特に麻痺性斜視のMRI所見を手術,前後を比較して解析をすすめている。一部異常所見を把握したものについては学会に報告した。(論文4,5.図書2)この研究は目下進行中で、来年時日本眼科学会特別講演として発表予定。
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[Publications] 黄野 桃世,山出 新一: "OFF効果における色覚機構依存性についての検討" 日本眼科紀要. 41. 871-875 (1990)
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[Publications] 黄野 桃世,山出 新一: "OFF効果における色覚機構依存性についての検討(2)ー背景色度の変化に伴うON・OFF効果についてー" 日本眼光学学会誌. 11. 38-42 (1990)
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[Publications] 黄 亭然,前田 敏博,中澤 みどり,可児 一孝: "発育期のラット大脳皮質視覚野に投射するセロトニンニュ-ロンの局在ー二重標識法による検討ー" 日本眼光学学会誌. 95. 249-253 (1990)
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[Publications] 西田 保裕,可児 一孝,絵野 尚子,原田 康,竹内 和行: "MRIを用いた眼球運動の研究ーcine mode MRIによる眼球運動動態の観察ー" 神経眼科. 6. 416-421 (1989)
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[Publications] 可児 一孝,西田 保裕,中村 二郎,絵野 尚子,曽谷 治之,原田 康,竹内 和行: "Cine Mode MRIによる眼球運動の観察ー眼窩内側壁骨折による眼球運動障害ー" 日本眼科紀要. 40. 2553-2557 (1989)
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[Publications] 福田 秀子,可児 一孝: "閾値とその測定法" 神経眼科. 7. 291-298 (1990)
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[Publications] K.Kuriyama,K.Sasamoto,H.Kimura: "A DEVELOPMENTAL AND FUNCTIONAL STUDY ON TAURINEーLIKE IMMUNOREACTIVITY IN THE RAT RETINA.Taurine:Functional Neurochemistry,Physiology,and Cardiology" WileyーLess,Inc., 8 (1990)
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[Publications] Y.Nishida,E.Nishida,K.Kani,A.Inatomi: "The Observation of Eye Movement Using Magnetic Resonance Imaging" Strabismus and Ocular Motility Disorders Edited by E.C.Campos, 6 (1990)