1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480420
|
Research Institution | Juntendo University School of Medicine |
Principal Investigator |
早川 むつ子 順天堂大学, 医学部・眼科, 講師 (60095825)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 慶子 順天堂大学, 医学部・眼科, 講師
村上 晶 順天堂大学, 医学部・眼科, 助手 (90157743)
堀田 喜裕 順天堂大学, 医学部・眼科, 助手 (90173608)
|
Keywords | X染色体 / 網脈絡膜変性症 / 常染色体優性網膜色素変性症 / ロドプシン遺伝子 / コロイデレミア / レ-ベル病 / 遺伝相談 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究を計画した当初、X染色体短腕の分子生物学的解析の進み具合からX染色体に注目した。しかしここ3年間の欧米でのこの研究領域における進歩はめざましいものがあり、本邦で眼科領域において同様な解析を行うことは我々の責務と考え、目標は同じであるがアプロ-チを若干変更した。まず網膜色素変性症については臨床診断の確定した患者を集め象系調査をし、できるだけ血液をあちめてDNAを抽出した。OATのcDNA、L1.28をプロ-ブとしてサザンブロッティングを行ったが、大きな欠失などの異常は検出できなかった。米国で最近報告された常染色体優性網膜色素変性症の約18%に検出されるロドプシン遺伝子の突然変異について、本邦の20家系の常染色体優性網膜色素変性症(ADRP)で検討した。PCR法を用いて患者DNAのロドプシン遺伝子の一部を増幅し、制限酵素で検討するが、塩基配列を決定した。1家系2症例において、ロドプシン遺伝子の片方のアレルのコドン347の突然変異を認めた。日本人で初めて発見された変異を持つADRPであり、異なった祖先の日本人にも異常が認められたことから、この異常はADRPの原因の一部と考えられる。またこの家系では遺伝子診断が可能である。 コロイデレミアについては臨床診断の患者を集めて家系調査をし、できるだけ血液を集めてDNAを抽出した。欧州で最近報告されたコロイデレミアの原因と考えられているcDNAをプロ-グとしてサザンブロッティングを行った。本邦の3家系のコロイデレミアで検討したが、大きな欠失は見られなかった。 また眼科領域の遺伝子診断を考える一つのモデルとして本邦のレ-ベルの病の家系についてミトコンドリアDNAを検討し、本邦においてこの遺伝子異常を検出することが本疾患の診断にたいへん有用であることを示し遺伝相談にどう生かしていくか検討を加えた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 堀田 喜裕,塩野 貴,藤木 慶子,他: "Gyrate Atrophyの分子生物学的研究(抄)" 第93回日本眼科学会総会講演抄録日眼会誌. 93(sup1). (1989)
-
[Publications] 堀田 喜裕,藤木 慶子,笹部 哲生他: "Gyrate Atrophyの分子生物学的研究" 日本眼科紀要. 40. 1061-1067 (1989)
-
[Publications] 早川 むつ子,矢沢 興司,中馬 祐一他: "若年網膜分離症25症例の臨床的検討" 日本眼科紀要. 40. 1097-1105 (1989)
-
[Publications] 森脇 郷子,早川 むつ子,岸下 仁他: "松果体腫瘍を合併したChoroideremiaの1例" 日本眼科紀要. 40. 1106-1110 (1989)
-
[Publications] Hotta Y,Hayakawa M,Saito K et al.: "Diagnosis of Leber's Optic Neuropathy by Means of Polymerase Chain Reaction Amplification" American Journal of Ophthalmology. 108. 601-602 (1989)
-
[Publications] 早川 むつ子,金井 淳,加藤 和男他: "Nettleship Falls X染色体遺伝性眼白子症の日本人の一家系" 日本眼科学会雑誌. 94. 1181-1187 (1989)