1991 Fiscal Year Annual Research Report
器官培養法を用いた歯胚の組織分化機構に関する微細構造学的、免疫組織学的研究
Project/Area Number |
01480424
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Research Institution | TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 歯科部, 助教授 (20114770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 正文 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60152104)
大井田 新一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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Keywords | 歯胚 / 器官培養 / エナメル質形成 / 免疫組織化学 / エナメルタンパク質 |
Research Abstract |
1.歯胚成分を抗原としたモノクロナ-ル抗体の作製においては、生後4日齢から1週齢のマウス臼歯歯胚を抗原として用い、ラットに免疫し、通法によりマウス骨髄腫細胞を用いて細胞融合をおこない、ラットモノクロナ-ル抗体の作製を前年度に引き続き試みた。しかし、特異的モノクロナ-ル抗体を得ることが出来なかった。IN VITROモノクロナ-ル抗体作製法を用いたモノクロナ-ル抗体の作製を現在進めている状況である。一方、ポリクロナ-ル抗体等を用いた生体内発育歯胚および培養歯胚におけるエナメルタンパク質に対する免疫組織化学的検索では、生体内発育歯胚と培養歯胚との間には、培養歯胚における発育の遅延に相当するエナメルタンパク質の発現の遅れとエナメルタンパク質の形成量を除き、基本的には同じであった。また、長期間培養歯胚では、成熟期エナメル芽細胞が観察され、エナメル質の二次石灰化にともなうエナメルタンパク質の脱却過程が免疫電顕的に観察された。 2.再構成歯胚におけるエナメル芽細胞の分化に及ぼす間葉組織の影響に関する観察では、マウス歯胚を酵素処理することにより上皮と間葉組織とに分離した後、再構成してエナメル芽細胞の分化を観察した。その結果、上皮成分であるである内エナメル上皮およびエナメル芽細胞と間葉組織である歯乳頭組織の境界に、新たに基底膜が再生された場合には、エナメル芽細胞は再び分化してエナメル質形成を開始することが確認されら。したがって、エナメル芽細胞の分化には基底膜との間に生じている相互作用が重要であることが推測される.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 寺島 達夫,一條 尚: "エナメル質形成にともなうエナメルタンパク質の局在に関する免疫組織学的観察." 口腔病学会雑誌. 57. 250 (1990)
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[Publications] 寺島 達夫: "培養歯胚のエナメル質形成開始期におけるエナメルタンパク質の免疫電顕的局在." 口腔病学会雑誌. 57. 356 (1990)
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[Publications] 寺島 達夫,新鞍 美保子,山下 靖雄,一條 尚: "エナメル質形成にともなうエナメルタンパク質の局在に関する免疫電顕的観察." 歯科基礎医学界雑誌. 33(補冊). 153 (1991)
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[Publications] T.Ichijo,Y.Yamashita,T.Terashima: "Observation on the ultrastructure of human enamel crystals." 歯科基礎医学界雑誌. 33(補冊). 228 (1991)
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[Publications] T.Ichijo,Y.Yamashita,T.Terashima: "Observations on the structural features and characteristics of biological apatite crystalsー1.Observation on the shape and arrangement of the cross sectioned enamel crystalsー." Dentistry in Japan. 27. 11-16 (1990)