1990 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロ-ナル抗体による骨芽細胞と破骨細胞のサイトカイン受容体の同定と発現機序
Project/Area Number |
01480429
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Research Institution | Niigata University School of Dentistry |
Principal Investigator |
鈴木 〓俊 新潟大学, 歯学部, 教授 (10013905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 市次郎 新潟大学, 歯学部, 講師 (40018750)
川瀬 知之 新潟大学, 歯学部, 助手 (90191999)
折笠 道昭 新潟大学, 歯学部, 助手 (30185681)
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Keywords | 活性型ビタミンD_3 / インタ-フェ-ロンーγ / F4 / 80抗原 / マクロファ-ジ変異株細胞 / ハイブリド-マ / 破骨細胞 |
Research Abstract |
昨年度マウスマクロファ-ジ様株細胞よりアザグアニン耐性HGPRT欠損変異株細胞(G3)とそれを親細胞として活性型ビタミンD_3(VD3)で刺激したマウス骨随細胞を細胞融合することにより得られた雑種細胞(ハイブリド-マ)(XC)を用いて,VD3並びにインタ-フェ-ロンーγ(IFNーγ)のマクロファ-ジに対する活性化及び分化におよぼす影響を報告した。本年度は、更にマクロファ-ジ分化抗原であるF4/80抗原を指標としてマクロファ-ジの分化におよぼすVD3とIFNーγの影響を破骨細胞形成との関連を含めて検討した。その結果、無刺激の状態でG3は痕跡程度であるのに対し、XCはすでにF4/80抗原を強く表現していており、XCはG3に比較して分化の進んだ状態にあることが推測された。しかしながら、G3はVD3により、またXCはIFNーγにより更に強くその抗原の発現が誘導されることが判明した。またVD3はXCに、IFNーγはG3に対して抗原の増加は誘導しなかった。これらのことから、VD3は比較的初期のマクロファ-ジに、およびIFNーγは分化にある程度進んだマクロファ-ジに作用しその分化を誘導することが示唆された。更にこの結果は、VD3で一度分化が誘導されたマクロファ-ジはVD3に対してはその反応性を欠如し、次なるシグナルにより更なる分化が誘導されることも同時に示唆するものであった。IFNーγにより形成される多核細胞はF4/80抗原を強く発現することから破骨細胞とは異なる分化形態であることが推測された。VD3が破骨細胞の形成に際して重要な役割を演ずるとされるが、その発生起源を同一とするマクロファ-ジの分化に対するVD3およびいわゆるMAF活性を有するIFNーγの作用機序の関連の一端が本研究により明らかにされた。 今後、更に多くの分化度の異なるマクロファ-ジ様株細胞の樹立を試み、マクロファ-ジの分化と破骨細胞形成の関連を明確にすると共に、今回の報告には至らなかったがそれらの有するサイトカインレセプタ-に対するモノクロ-ナル抗体の作製を、樹立したマクロファ-ジ様株細胞を抗原として推進する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] MICHIAKI ORIKASA,TOMOYUKI KAWASE,FUJIO SHIMIZU AND AKITOSHI SUZUKI: "Establishment of Murine Macrophageーlike Mutant and Hybrid Cell Lines:Comparative Analysis of the Differentiation Induced by 1 ,25ーDihydroxyvitamin D_3 and Recombinant Murine Interferonーγ" CELLULAR IMMUNOLOGY. 132. 350-365 (1991)