1990 Fiscal Year Annual Research Report
培養歯髄細胞におけるオピオイドペプチドの産生機序に関する研究
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01480432
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
工藤 照夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10028805)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 助手 (70124534)
斎藤 喜八 大阪大学, 歯科部, 助教授 (40110788)
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| Keywords | 歯髄線維芽細胞 / エンケフアリン前駆体タンパク / カテプシンB / エンケフアリン産生 / ブラジキニン / desーArg^<9ー>ブラジキニン / アルギニン / プロテインキナ-ゼ |
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| Research Abstract |
本研究の平成2年度における研究目的は、1)エンケファリンの前駆体タンパクおよびその産生酵素を単離精製し、同定すること、2)エンケファリン産生のプロセス、とくにエンケファリン産生酵素のブラジキニンによる歯髄線維芽細胞レベルでの活性化の機序を確かめることであった。以下、交付申請書に記載した研究実施計画に沿ってその実績を述べる。1)については、エンケファリン前駆体タンパクは分子量58,000の共通の画分が歯髄ホモジネ-ト,マイクロソ-ムおよび上清画分に見出され、これは各種クロマトグラフィ-および電気泳動実験により、1つのタンパク帯として検出された。このタンパクはマイクロソ-ム画分に主として分布していた。エンケファリン産生酵素はライソソ-ム画分中にあり、各種クロマトグラフィ-および電気泳動ならびに阻害実験により、分子量約23,600のカテプシンBであると同定された。2)については、歯髄線維芽細胞にブラジキニン、desーArg^<9ー>ブラジキニンあるいはアルギニンを作用させると、カテプシンBが活性化され、エンケファリンが産生されることが確かめられた。このカテプシンBの活性化は細胞内カルシウムに依存していた。ブラジキニンおよびdesーArg^<9ー>ブラジキニンのカテプシンB活性化作用は、百日咳毒素およびネオマイシンB、Hー7、Wー7、Hー8、MLー7などの阻害剤によって著明に抑制され、それぞれの受容体を介してカテプシンBを活性化するものと考えられた。アルギニンのカテプシンB活性化作用は、百日咳毒素、ネオマイシンBによっては阻害されなかったが、各種プロテインキナ-ゼ阻害剤によって抑制され、その他Dーアルギニンやロイシルアルギニンによって抑制された。これらの結果から、ブラジキニンの上記の作用は、desーArg^<9ー>ブラジキニンおよびアルギニンの作用の総合したものであるが、それぞれ異なった機序によりカテプシンBを活性化するものと考えられた。
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[Publications] T.Kudo: "Enkephalin production in tooth pulp cells by cathepsin B" New Leads in Opioid Research,edited by J.M.van Ree et al.Excerpta Medica,Amsterdam. 27-29 (1990)
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[Publications] T.Kudo: "Proteases in inflammation" Dynamic Aspects of Dental Pulp,edited by R.Inoki,T.Kudo,L.Olgart,Chapman and Hall,London. 445-470 (1990)
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[Publications] T.Kudo: "Is cathepsin B an enkephalin processing enzyme in the tooth pulp?" Progr.in Clin.and Biol.Res.328. 271-274 (1990)
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[Publications] T.Kudo: "Characteristics of BANAーdegrading enzyme in the tooth pulp activated by bradykinin" Progr.in Clin.and Biol.Res.328. 275-278 (1990)
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[Publications] E.ーQ.Wei: "Pharmacological and biochemical study on the mechanism of enkephalin production in rat dental pulp" J.Osaka Univ.Dent.Sch. 30. 8-30 (1990)
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[Publications] E.ーQ.Wei: "Subcellular distribution of enkephalin precursor proteins in rat dental pulp and the usefullness as a substrate for enkephalinーproducing enzymes." Life Sci.48. 667-674 (1991)
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[Publications] R.Inoki: "Dynamic Aspects of Dental Pulp" Chapman and Hall,London, 508 (1990)
